「バイアグラは保険適用されるの?」や「ED治療で保険が使えるのはバイアグラ?」といった質問を受けることがありますが、同じような疑問を持ったことがある男性は多いのではないでしょうか。
バイアグラはED治療薬の代表的な存在として広く知られていますが、基本的には自費診療となり、保険は適用されません。
しかし、男性の不妊治療の場合では保険が適用されることもあるため、保険適用されるケースをしっかり理解しておきましょう。
この記事では「バイアグラの保険適用」に関して、ED治療や不妊治療といったことを交えて医師がわかりやすく解説します。
この記事の目次
バイアグラとは
バイアグラとは、シルデナフィルクエン酸が有効成分のED(勃起不全)治療薬のことで、1998年に流通し始めた世界初のED治療薬として知られています。
バイアグラは勃起に対する効果が高いことをはじめ、水なしでも服用可能な口腔内崩壊フィルム製剤などもあり、利便性にも優れているED治療薬です。
バイアグラはED治療の第一選択肢として挙げられることもあるほどですが、基本的には自費診療扱いのため、保険が適用されません。
しかし、2022年4月からは「不妊治療の一環として保険適用の対象になる」ことが決定し、バイアグラは不妊治療目的に限定し、保険適用になりました。
バイアグラが保険適用されるケースについては、次でより詳しく解説します。
バイアグラが保険適用されるケース
バイアグラが保険適用されるケースは以下の場合です。
- 不妊治療
- ED(勃起不全)による男性不妊
上記についてそれぞれ見てみましょう。
不妊治療
バイアグラが保険適用されるのは「不妊治療」が目的の場合です。よくある勘違いとして、診察時に「不妊治療として使います」と医師に伝えれば、すぐに保険適用されるというものがあります。
しかし、厚生労働省はバイアグラを処方する医療機関や医師に対して、厳しい7つの基準を設けているため、簡単に保険が適用される訳ではありません。(7つの基準については後述)
従って、バイアグラは不妊治療目的であれば保険適用されるものの、そのハードルは高いということを知っておいてください。
ED(勃起不全)による男性不妊
バイアグラが保険適用されるケースとして「ED(勃起不全)による男性不妊」もあります。このケースは、実質的に先述した「不妊治療」と同じ扱いと言えるでしょう。
子作りに対する重圧などにより、EDを発症してしまい、結果としてEDが不妊の一因と診断された場合は、保険適用のうえでバイアグラを入手できるようになります。
バイアグラの保険適用で知っておきたい7つの基準
バイアグラが保険適用されるのは「不妊治療」の場合に限られます。厚生労働省は、保険適用によるバイアグラの処方について、医療機関および医師に対し、以下7つの基準を満たすことを定めています。
- 処方する医師は泌尿器科で5年以上の経験を持つ医師であること
- ED診療ガイドラインの診断に従い、EDと判断された患者であること
- 一般不妊治療管理料や生殖補助医療管理料に係る医学的管理を受けていること
- 紹介元の医療機関と情報共有すること
- 処方量
- 継続期間
- 処方箋の備考欄に保険診療であることを明記すること
上記7つの基準について解説します。
処方する医師は泌尿器科で5年以上の経験を持つ医師であること
バイアグラを保険適用で処方する場合、処方する医師は泌尿器科で5年以上の経験を持っていなければいけません。
例外として、患者が診療に通える範囲内に当条件を満たす医師がいない場合や、他の保険医療機関に紹介できないといった事情がある場合を除きます。
ED診療ガイドラインの診断に従い、EDと判断された患者であること
バイアグラを保険適用で処方するには、対象となる患者が「ED(勃起不全)診療ガイドライン」に従って、EDと診断されていることが前提です。
一般不妊治療管理料や生殖補助医療管理料に係る医学的管理を受けていること
バイアグラを保険適用で処方するためには、患者もしくはそのパートナーのいずれかが、投与日から6ヶ月以内に、一般不妊治療管理料や生殖補助医療管理料で保険診療を受診していることが条件です。
簡単に言えば、6ヶ月以内に不妊治療を受けたことがない場合は、保険が適用されないということです。
紹介元の医療機関と情報共有すること
バイアグラを保険適用で処方するには、別の保険医療機関で不妊症の診療を受けている患者の情報を紹介元と連携して共有しなければいけません。
つまり、バイアグラを処方する医師の独断という訳にいかないということです。
処方量
バイアグラを保険適用で処方する場合、1回の診療で「4錠以下」と決められています。医師または患者の意思で決められる訳ではありません。
継続期間
バイアグラを保険適用で継続的に処方するような場合、6ヶ月が目安になります。また、原則として初回から1年内が限度になっています。
処方箋の備考欄に保険診療であることを明記すること
バイアグラを保険適用で処方する際には、処方箋の備考欄に保険診療であることを記載しなければいけません。
このように、厚生労働省は医師または医療機関に対して厳しい7つの基準を定めているため、保険適用のハードルは非常に高いと言えます。
つまり、保険適用は患者さんにとっても、容易なことではないということです。
バイアグラが保険適用されるようになった背景
バイアグラが保険適用されるようになった背景には「少子化社会対策」があります。少子化を解消するため、また、患者の不妊治療にかかる経済的な負担を和らげる取組みとして保険が適用されるようになりました。
バイアグラが保険適用されないケース
バイアグラは以下のようなケースでは保険適用されないので注意しましょう。
不妊治療と関係性がない
バイアグラは不妊治療と関係性がない場合、保険が適用されません。例えば、EDで満足な性行為ができないといった理由は対象外です。
当然ながら、子作りのためといった虚偽の申告も対象外であり、このようなケースを防ぐためにも、先述した7つの基準が存在しています。
性行為のため
バイアグラは性行為だけを目的にした場合、保険は適用されません。具体的には、パートナーとの性生活を充実させたいや、セックスの時に満足な勃起が得られないといった場合は、保険適用されず、自費診療扱いです。
バイアグラが保険適用された場合の注意点
バイアグラが保険適用される場合、用量や期間といったことに注意しましょう。
1回に4錠以内
バイアグラが保険適用で処方される場合「1回に4錠以内」という制限があります。これは女性が妊娠しやすいとされる最適なスケジュールに合わせて性交する「タイミング法」を考慮したものです。
無制限に処方してもらえる訳ではないので注意しましょう。
継続利用は6ヶ月程度まで
バイアグラが保険適用される場合「継続利用は6ヶ月程度まで」とされています。6ヶ月経過した後は、処方の継続性を改めて確認する必要があり、最大で1年間が限度になっています。
つまり、妊娠するまでバイアグラを保険適用で購入できるとは限らないので注意してください。
まとめ
バイアグラが保険適用で購入できるのは不妊治療が目的の場合に限ります。
ED治療が目的の場合は保険が適用されませんので注意しましょう。
MSクリニックではED治療薬としてバイアグラをはじめ、レビトラ、シアリス、早漏改善薬プリリジーを院内処方しております。
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この記事の監修医師

葉山芳貴
経歴
平成14年 聖マリアンナ医科大学 卒業
平成20年 大阪医科大学 大学院 卒業
平成22年 大手美容形成外科 院長 就任
平成27年 メンズサポートクリニック開設
平成28年 メンズサポートクリニック新宿 院長就任
平成28年 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)