「どうして中折れしてしまうのだろう?」や「中折れを治すことはできるの?」といった疑問を持ったことがある男性は多いと思います。
中折れはED(勃起不全)の症状のひとつです。中折れを繰り返すような状態を放置していると、より深刻なEDにつながる可能性があるため、中折れの原因や防止する方法を正しく知っておくようにしましょう。
そこでこの記事では、ED治療の実績が豊富な医師が「中折れを防止する方法」について、原因も含めて、中折れに悩む男性に向けて分かりやすく解説します。
この記事の目次
中折れとは
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質問者:そもそも「中折れ」とはどういう症状のことですか?
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先生:中折れとは、主にセックスの途中で、ペニスの勃起が萎えてしまい、満足な性行為ができなくなってしまう症状のことです。
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質問者:中折れはセックスの途中で勃起しなくなる症状ということは、勃起しない「ED」とは異なりますね。
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先生:いいえ。中折れは、実はEDの症状のひとつです。日本性機能学会/日本泌尿器科学会のED診療ガイドライン(*1)によると、EDの定義は「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか,または(and/or)維持できない状態が持続または(or)再発すること」とあるため、勃起するかどうかだけでなく、勃起状態が射精まで持続するかどうかもEDの基準になっています。中折れはEDとは別物と考えがちですが、EDのひとつとして認識しなければなりません。
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質問者:中折れは40歳以降の男性でよく起きると聞きました。
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先生:はい、40歳はひとつの目安になると言ってよいでしょう。ED診療ガイドラインの「日本におけるED有病率(*2)」を見ると、20~30歳代は10%以下であるのに対し、40代は20%近くが中等度EDに該当し、50代になると概ね30%以上になります。また、2016年、一般社団法人日本臨床内科医会が発行したED(勃起障害)Q&A(*3)のなかにおいて「国内のED患者数は推計1,130万人、40歳以上の男性の3人に1人が該当する」とあることから、40歳を超えると中折れを含むEDの症状に悩む男性は多くなると言えるでしょう。
ポイント:
- 中折れは、勃起するが射精まで勃起状態を維持できないこと
- 中折れはED(勃起障害)の症状のひとつ
- 40歳以上の男性の3人に1人が中折れを含むEDの症状がある
中折れする原因
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質問者:どうして中折れするのでしょうか?
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先生:中折れする原因をごく簡単に言うならば「ペニスに十分な血液が流れ込まない、または流れ込んだ血液を維持できないこと」となります。このような状態が起きるきっかけとなるのが、ストレスや性行為に対するトラウマ、ペニスのコンプレックス、身体的な疲労、生活習慣の乱れ、そして加齢といった要因です。
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質問者:加齢だけが原因ではないということですか?
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先生:はい、中折れは必ずしも加齢だけが原因とは限りません。例えば、20代や30代と比較的若い世代で中折れする場合、多くはストレスや心理的な重圧などが原因の「心因性ED」と考えられます。また、服用している薬が原因の「薬剤性ED」という可能性も捨てきれません。
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質問者:40代以降は加齢が原因なのでしょうか?
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先生:はい、多くは加齢によって男性ホルモンであるテストステロンの分泌量が減少することが遠因と考えられます。テストステロンは勃起に関係する神経や血管、そして海綿体組織を正常に機能するのに必須(*4)とされていますが、これらの機能が損なわれることによって起きるEDを「器質性ED」と言います。
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質問者:中折れの原因はひとつだけではなさそうですね。
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先生:その通りです。中折れは、心理的なことが原因の「心因性ED」と、加齢によるテストステロンの分泌量低下が原因の「器質性ED」が同時に起きる「混合性ED」というケースも考えられるため、中折れを防止するには原因の特定がとても大切です。医師の見解も含め、正確に原因を理解することが、効果的な予防法や改善法につながります。
ポイント:中折れの原因は以下の4つが考えられる。
- 心因性ED・ストレスや重圧、ペニスや性行為に対するコンプレックス
- 器質性ED・加齢によってテストステロンの分泌量が低下し血管障害や神経障害が起きる。高血圧や肥満(メタボ)、糖尿病も要因になり得る
- 混合性ED・心因性EDと器質性EDの両方
- 薬剤性ED・服用中の薬による副作用(精神安定剤や向精神薬、抗うつ薬、睡眠薬など)
中折れを防止する方法
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質問者:中折れを防止するためにどうすればいいのでしょうか?
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先生:まずは中折れの原因を理解し、原因に合わせた防止策を講じることが大切と考えてください。
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質問者:具体的な防止策を教えてください。
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先生:最もおすすめの方法が「ED治療薬」で、バイアグラやシアリスといったものが代表的です。これらの「血管拡張作用」によって、勃起力や、勃起の維持力が向上します。また、期待できる副次的効果として「自信を取り戻せる」こともあるため、器質性EDや心因性ED、さらには混合性EDなどが原因の中折れを防止できます。
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質問者:食事は大切でしょうか?
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先生:はい、自分でできる対策として大切なポイントです。具体的には、高カロリーや高塩分といった、高血圧や動脈硬化を招きやすい食事を控えましょう。また、お酒の飲みすぎにも注意してください。理由は、これらの食習慣が招く高血圧等の症状がある人は、EDを発症する頻度が高いと指摘されているためです。(*5)
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質問者:運動は予防に効果があるのでしょうか?
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先生:はい、効果的です。2018年、ある研究結果(*6)によると「週4回、合計160分の有酸素運動は心血管疾患によって起きる勃起の問題を改善する」とある他、週に2.5時間以上のランニングはEDのリスクを30%低下させたとする報告(*7)もあることから、運動は中折れを含むED予防に有用と言えます。
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質問者:加齢でテストステロンが減ることは避けられないから予防できないのでは?
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先生:いいえ、男性ホルモン補充療法という方法があります。これは、血液検査の結果、遊離テストステロンの基準値である「7.5pg/mL」を下回る際に不足分を補う治療法です。ED診療ガイドライン(*8)においても強く推奨されています。
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質問者:中折れ防止にはサプリメントも飲んだ方がいいのでしょうか?
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先生:あまりおすすめできません。理由は、あくまでも健康補助食品であることや、継続した場合の費用対効果が悪いためです。とくに、インターネット上のED解消サプリなどは、効果を実感しにくい上、ランニングコストが高くなってしまいます。
ポイント:
- 中折れの原因を知ることが効果的な対策につながる
- ED治療薬は心因性ED、器質性ED、混合性EDなどの原因で起きる中折れに有用
- 自分でできることには、食事、運動、睡眠、そしてタバコやお酒を控えめにすることがある
- テストステロンの低下には男性ホルモン補充療法という選択肢がある
- サプリメントの効果は疑わしい部分もあり、高価になる
まとめ
中折れを防止する方法は原因を理解したうえで取り組むことが大切です。
原因に合わせて、ED治療薬や男性ホルモン補充療法、さらには食事や運動といった方法に取り組むようにしましょう。
服用中の薬が影響している可能性もあることから、まずは一度医師に相談し、どうして中折れしてしまうのかの原因を突き止めることから始めてください。
MSクリニックでは、ED治療、包茎手術・早漏治療・長茎術・亀頭増大術などから、AGA薄毛治療など、男性美容まで男性のお悩みに向き合うメンズクリニックです。
症例豊富な医師をはじめ、看護師も全員が男性ですので、どうぞお気軽にご相談、ご来院ください。
この記事の監修医師
葉山芳貴
経歴
平成14年 聖マリアンナ医科大学 卒業
平成20年 大阪医科大学 大学院 卒業
平成22年 大手美容形成外科 院長 就任
平成27年 メンズサポートクリニック開設
平成28年 メンズサポートクリニック新宿 院長就任
平成28年 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)
鳥羽洋輔
経歴
平成31年 札幌医科大学医学部医学科 卒業
令和3年 美容皮膚科クリニック 勤務
令和4年 MSクリニック 勤務
資格
美容外科医
医師免許(医籍登録番号:559547)