妊娠に向けた様々な取り組みのことを「妊活」と呼ぶことは男性であっても知っていることと思います。
妊活の取り組みには、妊娠する確率が高くなるとされる排卵日の予測や、食事、夫婦間での話し合いなど様々なものがありますが、最も気になるポイントが「妊活中のセックスの頻度」ではないでしょうか。
この記事では、医師が「妊活中のセックスの頻度」をはじめ、理想とされるセックスのタイミングなどについて、妊活中の男女に向けて分かりやすく解説します。
この記事の目次
妊活中のセックスの頻度
妊活中のセックスの頻度は「週2~3回」を目安にするとよいでしょう。とりわけ、妊娠しやすくなるとされている「排卵日の4日前から排卵日1日後」においては、この頻度が理想的です。
妊娠する確率については、様々な条件によって左右されることから一概に示せません。しかしながら、上記のタイミングと頻度の条件下においては、約30%から35%の確率で妊娠すると言われているため、週2~3回の頻度が理想と考えられています。
セックスの頻度が増えるほど妊娠する確率は上昇すると言えますが、男女間において「毎日はしんどい」といった気持ちが芽生えたり、男性がプレッシャーを感じるあまりセックスに消極的になって心因性ED(勃起不全)を発症したりするかもしれません。
このように、妊活中のセックスの頻度やタイミング、そしてふたりの精神的な負担などを考慮すると、週に2~3回が理想と言えるでしょう。
妊活中のセックスは頻度よりもタイミングが大切
妊活中のセックスは頻度よりもタイミングが重要と考えられています。この背景には、排卵のサイクルがあります。
排卵とは、女性の卵巣から卵子が放出されることで、放出された卵子が卵管で男性の精子を迎え入れる状態になります。
ごく簡単に言えば、排卵は妊娠するための準備が整った状態と言えるでしょう。つまり、妊娠を目的とするセックスであれば、女性の体が妊娠する準備が整ったタイミングがベストと言える訳です。
一般的に、最も妊娠しやすいとされているタイミングは「排卵日の1~2日前」とされていることから、このタイミングに合わせてセックスすることで妊娠の確率が上がると考えられています。
一方、排卵日やその周期は個人差があり、明確に決まっている訳ではありません。排卵日は、月経から次の月経までに1回訪れることから、ひとつの基準として「次の生理予定日の14日前頃」と言われています。
より高精度な排卵日の予測は、生理周期が安定していることを前提に「基礎体温」を使って予測する方法や、生理周期から排卵日を予測する「オギノ式」、さらには市販の「排卵日予測検査薬」などが知られています。
これらの方法を使って、排卵日のタイミングを予測できれば、妊娠する確率は高くなるでしょう。
妊活のセックスで理想とされるタイミング
妊活のセックスで最も理想的とされるタイミングは「排卵日の1~2日前」とされています。排卵後の卵子は約24時間で死んでしまうため、排卵から時間が経過するほど妊娠の確率は下がります。
また、男性の精子の寿命はおおよそ72時間と言われていることから、卵子と精子のいずれもが元気なうちに受精することを考慮すると、このタイミングが理想的となる訳です。
一方、排卵日は基礎体温や生理周期から予測することは可能ですが、これらの方法で確実に特定することは難しいため、誤差を含め「排卵日の4日前から排卵日1日後」で、セックスの回数が2~3回確保できるのが理想でしょう。
男性が妊活のセックスで気を付けるべきこと
妊活のセックスの頻度やタイミングも大切ですが、男性は妊活を成功させるためにも、以下のようなことに注意するようにしてください。
- 無理にオナ禁しない
- タイミングED(排卵日ED)
- ストレスを溜めない
- 男性更年期障害
上記の注意点について解説します。
無理にオナ禁しない
男性は妊活において「無理にオナ禁しない」ようにしましょう。よくある誤解として、オナ禁するほど精子の量がどんどん増える、精子が元気になるといったことがありますが、そのようなことはありません。
禁欲によって蓄えられた精子が死んでしまうと、それに伴って生じる活性酸素が正常な精子を傷つける可能性があるため、妊活中のオナ禁はどんなに長くとも3日以内に留めるようにしてください。
毎日射精することよりも、長い日数にわたるオナ禁の方がデメリットが大きいので、妊活中は過度なオナ禁や性欲を我慢するといったことがないようにしましょう。
タイミングED(排卵日ED)
「タイミングED(排卵日ED)」にも気をつけてください。タイミングEDは、妊娠する確率が高まる排卵日前になると知らぬ間に緊張してしまい、勃起しないあるいは射精に至らないという症状を指しています。
厳密には、子作りに対する重圧やストレスが原因の「心因性ED」に該当し、排卵日だからといって、失敗してはいけないなどと考えこまず、気負うことがないよう注意しましょう。
ストレスを溜めない
男性は妊活中に「ストレスを溜めない」ことにも注意しましょう。タイミングEDと共通する要素ですが、仕事や人間関係、そして夫婦間といった様々な場面でストレスを抱えてしまうと、交感神経が優位になり、いざという時に勃起しづらくなるかもしれません。
妊活中はできるだけストレスを溜め込まず、副交感神経が優位なリラックス状態でいられるように心がけましょう。
男性更年期障害
「男性更年期障害」にも注意すべきです。とくに40歳を超えたあたりから男性ホルモンの分泌量が減少することにより、性欲減退や活力不足が起きるかもしれません。
このような症状が出ると、妊活やセックスに対して積極的になれない可能性もあるため、注意すべき要素として認識しておいてください。
妊活中のセックスで失敗しないおすすめの対処法
妊活中のセックスで失敗しないためにも、以下のような方法があることを知っておくと役に立つかもしれません。
- ED治療薬
- プラセンタ注射
- 男性更年期治療
それぞれについて解説します。
ED治療薬
妊活中の男性で勃起力に不安がある場合は「ED治療薬」がおすすめです。バイアグラやシアリスといった定番をはじめ、より安価なジェネリックもあります。
セックスの際、30分から1時間前に服用することで効果が得られます。人知れず「タイミングED」や「妻だけED」といった症状に悩んでいるようなら、ED治療薬を使うのが最もおすすめです。
プラセンタ注射
「プラセンタ注射」は妊活中の男性におすすめです。プラセンタ注射は、ヒトの胎盤エキスから抽出した栄養素や成長因子を注射することで、精力増強や滋養強壮に効果が期待できます。
妊活がうまくいかない時や、疲れを感じた際に、手軽かつ安全に心身バランスを整えるのにおすすめです。
男性更年期治療
妊活中の男性、とくに40代周辺の人には「男性更年期治療」も選択肢になるでしょう。加齢とともに男性ホルモンの分泌量が減少していくことで、勃起力が弱くなったり、心身のバランスを崩したりすることがあります。
そのような際は、男性ホルモン量を検査したうえで、漢方やED治療薬、そして男性ホルモン製剤の投与といった方法で対処可能です。
まとめ
妊活中のセックスの頻度は、排卵日前のタイミングで週2~3回が理想的と言えます。
あくまでも、妊娠の仕組みに基づいた理想ではありますが、ひとつの目安にしてみてください。
妊活は男性の役割も大きく、女性の体を理解すること、そして正常なセックスができるよう、日頃から心身のケアにも留意しましょう。
勃起力や性欲などに不安がある場合は、ED治療薬といった選択肢もありますので、気になる方はMSクリニックへお任せください。
経験豊富な医師をはじめ、看護師も全員が男性ですので、ED治療のご相談もどうぞお気軽にご相談、ご来院ください。
この記事の監修医師
葉山芳貴
経歴
平成14年 聖マリアンナ医科大学 卒業
平成20年 大阪医科大学 大学院 卒業
平成22年 大手美容形成外科 院長 就任
平成27年 メンズサポートクリニック開設
平成28年 メンズサポートクリニック新宿 院長就任
平成28年 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)
鳥羽洋輔
経歴
平成31年 札幌医科大学医学部医学科 卒業
令和3年 美容皮膚科クリニック 勤務
令和4年 MSクリニック 勤務
資格
美容外科医
医師免許(医籍登録番号:559547)