【医師監修】男性ホルモンを増やす食べ物やサプリ、治療法を医師が解説

「男性ホルモンはどうやったら増えるの？」や「男性ホルモンを増やす食べ物や飲み物は何？」といった疑問を持ったことがある男性は多いと思います。

男性ホルモンが不足すると心身の衰えが表面化し、人によっては男性更年期障害を発症することもあるため、男性ホルモンは男性にとって心身の健康維持に欠かせないものと言えます。

そんな「男性ホルモン」を増やす方法や、男性ホルモンが減るとどうなるのかといったことについて、男性ホルモン補充療法や男性更年期障害の治療経験が豊富な医師がわかりやすく解説します。

男性ホルモンとは

男性ホルモンを増やすことについて理解するうえで、男性ホルモンとはどのようなものなのかを把握することが大切です。

男性ホルモンとは、筋肉や骨格の形成、造血、そして前向きな思考や社交性といった精神面にも影響を与えるホルモンのことです。

男性ホルモンにはいくつかの種類があり、最も知られているのがテストステロンでしょう。その他に、ジヒドロテストステロンやデヒドロエピアンドロストロン、アンドロステロンなどがありますが、これらはまとめて「アンドロゲン（ステロイドホルモン）」と呼ばれます。

男性ホルモンのなかで働きが顕著なのが、生物学的活性がある「遊離テストステロン（フリーテストステロン）」と言われており、テストステロン全体のうちわずか3%未満とされています。

このようなことから、男性らしい体格やポジティブな思考、活力、さらには性欲を向上させるためには、男性ホルモンのなかでも「遊離テストステロン」を増やすことが有効と言われています。

男性ホルモンが少ないとどうなる

男性ホルモンを増やす方法を知ることも大切ですが、男性ホルモンが少ないとどのような影響が生じるのかについても理解しておきましょう。

男性ホルモンが少ないと主に以下のような影響が生じます。

• 男性機能低下
• 意欲低下
• 身体機能低下
• 認知機能低下

上記それぞれについて解説します。

男性機能低下

男性ホルモンが少ないと「男性機能低下」の影響が生じます。例えば、性欲が減退したり、精子生成の働きが低下したり、さらにはED（勃起不全）なども含まれます。

男性ホルモンが減少し、男性機能が低下していることの兆候として「朝勃ち」が減ることがあります。

意欲低下

「意欲低下」も男性ホルモンが減ると現れる症状のひとつです。具体的には、仕事や趣味などをバリバリこなせなかったり、新しいことにチャレンジしなかったりすることが挙げられます。

何事に対しても意欲が湧かないといった状態が続いている場合は、男性ホルモンが低下している兆候と考えてよいかもしれません。

身体機能低下

男性ホルモンが少ないと「身体機能低下」の影響が生じます。例えば、筋肉量や骨密度が減少したり、体脂肪が増えたり（太る）することが考えられます。

肉体が慢性的な疲労を抱えているような場合や、耳鳴りや動悸といった自律神経系の症状も、男性ホルモンが少ない兆候とされています。

認知機能低下

「認知機能低下」も男性ホルモンが少ないことで生じる影響のひとつです。具体的には、記憶力や判断力の低下、集中力が持続しないといったことが挙げられます。

理解力、判断力、そして論理的思考といった知的機能の衰えは、将来的に認知症へ繋がる懸念もあるため注意すべき点と言えます。

男性ホルモンを増やす食べ物や飲み物

男性ホルモンを増やす食べ物や飲み物について紹介します。主に以下のような食材の摂取を試してみてください。

• 卵
• ラム肉、牛肉、豚肉、鶏肉
• 大豆（納豆）
• 牛乳
• 牡蠣
• 玉ねぎ
• サーモン
• ほうれん草
• アボカド
• 生姜
• ニンニク

男性ホルモンを増やすのに役立つ栄養素は「タンパク質」をはじめ「ビタミンD」「マグネシウム」そして「亜鉛」とされています。

卵や肉類、牛乳などでタンパク質、サーモンなどからビタミンD、大豆類からマグネシウム、そして牡蠣などから亜鉛を摂取可能です。

男性ホルモンを増やすサプリ

男性ホルモンを増やすにはサプリメントも役に立つでしょう。とくに以下の成分が含まれているサプリメントを活用するとよいかもしれません。

• 亜鉛
• マグネシウム
• ビタミンD
• アルギニンとシトルリン

これらの成分が含まれているサプリメントは、あくまでも男性ホルモンを増やす補助的な役割であり、即効性や確実性があるとは言い切れません。

先述した、食べ物や飲み物も同様ですが「摂取すれば必ず男性ホルモンが増える」と思い込まずに取り組んでみてください。

男性ホルモンを増やすおすすめの方法

男性ホルモンを増やすのにおすすめの方法について解説します。男性ホルモンを増やす方法には以下のようなことがあります。

• 筋力トレーニング
• 漢方
• 男性ホルモン補充療法

筋力トレーニング

男性ホルモンを増やす方法として「筋力トレーニング」がおすすめです。筋トレによって一時的に痛んだ筋肉を修復する際に、男性ホルモンであるテストステロンおよびアンドロゲン受容体が増加します。（これを筋肥大と言う）

つまり、大きな筋肉を動かすような筋トレをすることで、男性ホルモンの分泌を促し、結果として男性ホルモンが増えるという仕組みです。

また、筋トレは男性ホルモンの大敵とされる「ストレス」を減少させる効果も見込めますので、積極的に取り組むことをおすすめします。

漢方

「漢方」も男性ホルモンを増やす方法としておすすめです。具体的には、以下の漢方が有効と考えられています。

• 補中益気湯：心身の疲労改善および刺激ホルモン減少効果
• 八味地黄丸：デヒドロエピアンドロストロン分泌促進効果
• 柴胡加竜骨牡蛎湯：テストステロン減少防止効果

漢方は男性ホルモンが不足して起こるとされる「男性更年期障害」の治療にも使われていますので、筋トレと組み合わせてみるのもよいでしょう。

男性ホルモン補充療法

男性ホルモンを増やす方法として「男性ホルモン補充療法」もおすすめです。男性専用クリニック等で男性ホルモン量の検査をしたうえで受けられます。

検査の結果、男性ホルモン量が基準値を下回る場合、テストステロンを投与することで男性ホルモンを増やします。

男性ホルモン補充療法は、安全性や確実性に長けており、男性更年期障害の治療にも用いられています。

男性ホルモンを増やす方法に関するよくある質問と回答

男性ホルモンを増やす方法に関するよくある質問を紹介します。