【医師監修】男性における亜鉛の効果とは?理想量や摂取方法を解説|男性特有のお悩みを解決 - ペニラボ

専門医監修の記事を検索

気になる情報にチェックを入れて、
「検索」ボタンを押してください。

治療項目別

お悩み別

「亜鉛は性機能の改善に効果がある」、「性欲減退や抜け毛予防には亜鉛が効果的」といった話を聞いたことがある男性は多いのではないでしょうか。

こういった噂を耳にして、亜鉛を積極的に摂取しようと考えているものの、どのように摂取すれば良いのか全くわからない、という方もいらっしゃることかと思います。

そこでこの記事では、男性における「亜鉛の効果」について、男性ホルモン補充療法ED治療などを多く手掛ける医師が、初心者にもわかりやすく解説します。

亜鉛とは

亜鉛とはミネラル(微量元素)のひとつで、ヒトの体内では、そのほとんどが筋肉や骨の中に存在します。筋肉・骨以外にも皮膚や肝臓、前立腺など多くの臓器に分布し、体内の総量としては約2,000mg(2g)といわれています。

亜鉛は、多数の酵素タンパク質の構成要素であるため、様々な生体内反応を活性化します。加えて、DNA合成や骨成長の促進、ホルモン合成・分泌の促進などの作用を持ち、様々な生理機能において重要な役割を果たしています(*)。

亜鉛の様々な働きの中でも、特に男性にとって重要となるのが「テストステロン」産生への関与です。テストステロンは男性ホルモンのひとつで、男性機能全般を調節する働きを持っていますが、亜鉛はテストステロンの産生および分泌において非常に大切な役割を担っていることから、精子の産生や勃起力といった男性機能に大きく影響するのです。

一方で、亜鉛は人体内で作り出すことができず、蓄えることもできません。このため、食品やサプリメントなどを通じた積極的な摂取が求められます。

このように、亜鉛は様々な生体内反応に関与し、特にテストステロン産生への関与によって、男性機能全般に影響を与えるミネラルであることはよく覚えておきましょう。

男性における亜鉛の効果

男性における亜鉛の効果

亜鉛は、男性にとって以下のような効果があります。

  • 男性ホルモンの分泌を促進する
  • 脱毛症(AGA)の発症を抑制する
  • 性機能の維持や向上

上記について解説します。

男性ホルモンの分泌を促進する

亜鉛には、「男性ホルモンの分泌を促進する」効果があります。2023年、Journal of Trace Elementsin Medicine and Biologyに掲載された研究結果(*1)には、「亜鉛補給によりテストステロンレベルが向上する」との記述があります。

また、1996年に発表された研究結果(*2)においては、亜鉛欠乏の高齢男性に6ヶ月間亜鉛を摂取してもらったところ、テストステロンレベルが上昇したことが証明されています。

新旧の研究結果において、「亜鉛摂取量とテストステロンレベルとの間に相関関係が存在する」ことが証明されており、亜鉛は男性ホルモン、特にテストステロンの分泌を促進するといえます。

男性型脱毛症(AGA)の発症を抑制する

亜鉛は「男性型脱毛症(AGA)の発症を抑制する」効果があると考えられています。

亜鉛は、毛髪成分の90%を占める「ケラチン」の生成に不可欠です。ケラチンはアミノ酸合成によって生成されますが、この反応に亜鉛が関与していますので、亜鉛不足は脱毛症の発生に繋がると考えられています。

2003年に発表された、亜鉛とミノキシジル(AGA治療によく用いられる薬剤)が毛髪密度に対して与える影響について調査した研究(*1)によると、これらの薬剤を使用することで、発毛の持続的な改善がみられたとしています。

また、脱毛症患者の亜鉛・鉄レベルを評価した研究(*2)では、「亜鉛はアンドロゲン性脱毛症患者における発毛に効果的である」との記述もあり、亜鉛の摂取は男性型脱毛症(AGA)の発症を抑制し、毛量の増加にあたって有効であるといえます。

性機能の維持や向上

亜鉛は「性機能の維持や向上」にも効果があるとされています。先述した通り、亜鉛は男性ホルモンであるテストステロンの生成・分泌に関与していることから、亜鉛が不足してしまうと男性機能の低下に繋がってしまうおそれがあります。

先に挙げた研究結果においても、亜鉛不足の男性が亜鉛を摂取することでテストステロンレベルの改善が見られた、とあるように、亜鉛は男性機能の維持および向上にあたり非常に大切な要素となるのです。

亜鉛の摂取基準

このように、男性にとって非常に重要なミネラルである亜鉛ですが、1日にどれくらいの量を摂取すれば良いかご存知でしょうか。

厚生労働省がまとめた「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(*)によると、男性(18~74歳)の理想的な亜鉛の摂取量は「1日あたり11mg」とされています。

推奨量を摂取するためには、生牡蠣であれば約100g相当、豚レバー約150g、かたくちいわし(田作り)であれば、2食分で約40gとなります。

一方で、亜鉛を摂取しすぎると貧血や毛髪の異常などを引き起こす可能性があることから、摂取にあたっては1日あたりの上限量も設定されています。上限量(耐用上限量)は「1日あたり40~45mg」ですので、こちらも合わせて覚えておくとよいでしょう。

亜鉛が不足すると起きる影響

一般社団法人日本臨床栄養学会の亜鉛欠乏症診療ガイドライン2018(*)によると、亜鉛が不足すると、以下のような影響があることが指摘されています。

  • 皮膚炎・脱毛
  • 口内炎
  • 貧血
  • 味覚障害
  • 発育障害
  • 性腺機能不全

上記のほかにも、食欲低下や慢性的下痢、骨粗しょう症、免疫力の低下などが生じる可能性もいわれています。これらの症状は、亜鉛が不足することによって生じる「亜鉛酵素の活性低下」や「タンパク質合成の低下」が原因であり、人体に様々な影響を及ぼします。

亜鉛を過剰摂取すると生じる影響

亜鉛の過剰摂取は以下のような影響を及ぼす可能性があります。摂取不足だけではなく、過剰摂取にも気を付けるようにしましょう。

  • 免疫障害(スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)活性の低下)
  • 銅の吸収阻害による銅欠乏症(骨異常、白血球減少、心血管や神経異常)
  • 鉄の吸収阻害による貧血
  • 胃腸障害

これらの影響は、主にサプリメントや亜鉛強化食品の過量および長期間の摂取によって起きやすくなると言われています(*)。

しかしながら、通常の食品による亜鉛摂取では、過剰摂取が起こることはまずありません。いずれにせよ、バランスの良い食事摂取を心がけるようにしましょう。

亜鉛の摂取方法

亜鉛の摂取方法としては、以下の方法が挙げられます。

  • 食事
  • サプリメント

それぞれについて解説します。

食事

亜鉛の摂取方法として最も簡単なのが「食事」による摂取です。以下のような食品には亜鉛が多く含まれていますので、日々の食事に取り入れると良いでしょう。

  • 牡蠣60g:7.9mg
  • 豚レバー70g:4.8mg
  • 牛肩肉(赤肉・生)70g:4.0mg
  • 牛肩ロース(赤肉・生)70g:3.9mg

サプリメント

「サプリメント」の内服も、亜鉛を摂取する方法としておすすめです。食事だけでは十分な量の亜鉛を摂取できない場合には、補助的にサプリメントを使用するのが良いでしょう。

ただし、サプリメントの内服は手軽である一方、過剰摂取につながりやすいため内服量には注意するようにしましょう。

亜鉛の摂取だけでは男性機能が改善しない場合の対処法

ここまで記述してきた通り、亜鉛の摂取はテストステロン産生の促進や発毛の促進など、様々な効果が期待できます。

一方で、テストステロンが低下することによって男性機能(勃起力や持続力)に問題が生じたり、気分障害などを起こす「男性更年期障害(LOH症候群)」では、亜鉛の摂取だけではこういった症状の改善は難しく、以下に挙げるような治療が必要となります。

男性ホルモン補充療法

「男性ホルモン補充療法」は、注射や塗り薬を用いた治療により、不足しているテストステロンを直接的に補う方法です。

食事やサプリメントなどで亜鉛を摂取しても、男性機能の低下や心身の不調が改善されないような場合には、男性更年期障害の治療として男性ホルモン補充療法が有効となる可能性があります。

この治療を受けるにあたっては様々な条件がありますので、性欲の減退や勃起力の低下、倦怠感、精神の不調といった男性更年期障害の症状に心当たりがある場合には、医師に相談してみるのが良いでしょう。

まとめ

亜鉛は男性ホルモンであるテストステロンと強い関係性があり、これを摂取することによって男性機能や男性型脱毛症(AGA)の改善などに効果があるといわれています。

亜鉛は、1日あたり11mgを目安に摂取し、過剰摂取にならないよう注意してください。
性機能の低下や精力減退といった症状でお悩みの男性は、亜鉛摂取のほか、男性ホルモン補充療法などの選択肢もあることを覚えておいてください。

MSクリニックでは、ED治療を始め、包茎手術・早漏治療・長茎術・亀頭増大術などから、薄毛治療、男性更年期治療など、男性のさまざまなお悩みに向き合うメンズクリニックです。
医師をはじめ、看護師も全員が男性ですので、どうぞお気軽にご来院ください。

今すぐWEB予約で悩みを相談してみる! MSクリニックの男性更年期治療についてはこちら

この記事の監修医師

葉山芳貴
総院長、医学博士

葉山芳貴

経歴

平成14年 聖マリアンナ医科大学 卒業
平成20年 大阪医科大学 大学院 卒業
平成22年 大手美容形成外科 院長 就任
平成27年 メンズサポートクリニック開設
平成28年 メンズサポートクリニック新宿 院長就任
平成28年 医療法人清佑会 理事長 就任

資格

医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)

鳥羽洋輔
新宿院 院長

鳥羽洋輔

経歴

平成31年 札幌医科大学医学部医学科 卒業
令和3年 美容皮膚科クリニック 勤務
令和4年 MSクリニック 勤務

資格

美容外科医
医師免許(医籍登録番号:559547)

検索する

治療項目一覧

治療費用について

MSクリニックについて

MSクリニックは医療法人社団 清佑会が運営するクリニックです

当院は医療法人社団としての認可を受けた自由診療の男性専門クリニックです。 人を思いやる心こそ、医療のバックボーンであるという信念のもと、患者さまに満足、安心していただける医療を提供するべく、医療技術のみならず、インフォームド・コンセントやホスピタリティを徹底するこで、適正医療機関としての信頼を得られていると考えております。これからも、質の高い医療を継続的に提供し、高い社会的信頼の創造ならびに、多様化するニーズへ応えるため、医療の可能性を追求、創造してまいります。

全ては患者さまの笑顔のために

丁寧な説明と最良の医療で、患者さまのお悩みを解消し、明るく、幸せな毎日を送る一助になることを使命としております。 どんな細やかなお悩みでも、ご遠慮なくご相談ください。生涯にわたり信頼されるクリニックとして、治療からアフターケアまで責任を持って誠実に行います。

もっと詳しく

治療が可能なクリニック一覧

友達に追加する ページ上部へ
×
友達に追加する