「薬局とかコンビニで売っている精力剤って効果ある?」や「精力剤を飲めば勃起力が上がるの?」といった質問を受けることがあります。
昨今、薬局またはコンビニで精力がつくようなドリンク等が販売されていますが、それらの効果ははっきりしないことが多いようです。
そこでこの記事では「精力剤」に関して、その種類や効果、さらには精力を付けるためにおすすめの方法などを医師がわかりやすく解説します。
この記事の目次
精力剤とは
精力剤とは、体や精神の元気を回復したり、疲労を低減させたりすることを目的にした医薬品やサプリメントなどのことです。
よくある誤解として「精力剤は性欲を高める」や「精力剤は勃起力を向上させるもの」といった思い込みがありますが、精力剤は性機能に限らず「心身の活力」をサポートするものです。
精力剤の種類と言えば、ドラッグストアやコンビニなどで買える栄養ドリンクやサプリなどが思い浮かぶと思いますが、実際には医薬品も含まれるため、ひと言で精力剤と言ってもその範囲は多岐にわたります。
一般的な精力剤の目的は「肉体の疲労回復」や「集中力の向上」などですが、性行為前などに性欲を高めたり、勃起力を向上させる目的で使用する人もおり、種類だけでなく目的も幅広いことが特徴です。
精力剤は、医師の処方がなければ入手できない医薬品をはじめ、薬局やコンビニなどで手軽に購入できるものがあり、それぞれ効果にも違いがあります。
精力剤は、種類や目的、そして効果についてしっかり理解したうえで使用することが求められます。
ちなみに、バイアグラやシアリスといったED治療薬は精力剤のひとつとして周知されていますが、厳密には精力剤ではないことを知っておきましょう。
精力剤の種類
精力剤の種類は医薬品や漢方などに分類されています。それぞれ解説します。
処方箋用医薬品(医療用医薬品)
精力剤の種類には「処方箋用医薬品(医療用医薬品)」があります。具体的には、バイアグラなどのED治療薬やホルモン補充薬などがあり、医師による処方箋がなければ入手できません。
先述したように、ED治療薬は厳密には精力剤として扱われるべきではありませんが、勃起力を改善させるという点で今回は同列に取り扱います。
第1類医薬品
精力剤の種類には「第1類医薬品」もあります。第1類医薬品は、一般用医薬品の中で最も副作用のリスクが高い医薬品のことで、購入時は薬剤師が対面で書類による説明を実施しなければいけません。
第1類医薬品の精力剤としては、男性ホルモンのメチルテストステロン含有の「オットピン(ヴィタリス製薬)」などが知られています。
第2類医薬品
精力剤の種類として「第2類医薬品」も挙げられます。第2類医薬品は、一般医薬品の中で中程度の副作用リスクがあるとされていますが、実質的には医師や薬剤師の説明がなくとも購入可能です。(説明は努力義務にとどまる)
精力剤の具体例としては、第2類医薬品成分であるイカリソウ等を含んだ「ユンケル(佐藤製薬)」が分かりやすいでしょう。
第3類医薬品
精力剤の種類には「第3類医薬品」もあります。第3類医薬品は、一般医薬品の中で最も副作用リスクが少ないもので、第1類、第2類医薬品同様に薬局やインターネットでも購入可能です。
精力剤としては、滋養強壮や肉体疲労などに有効なフルスルチアミンを含む「アリナミンEX(武田薬品)」などが挙げられます。
指定医薬部外品
精力剤の種類として「指定医薬部外品」もあります。指定医薬部外品は、薬局やコンビニ、小売店などで簡単に購入可能です。
指定医薬部外品の代表的な精力剤としては、タウリンを含む「リポビタンD」や「リゲイン」などがあります。
サプリメント(機能性表示食品)
精力剤の種類には「サプリメント(機能性表示食品)」も含まれます。サプリメントは薬局やコンビニ、インターネットなどで購入可能で、健康補助食品という扱いになります。
精力剤としては、亜鉛やアルギニンなどを補える「ネイチャーメイド(大塚製薬)」や「マルチビタミン(DHC)」などが代表的です。
漢方
精力剤の種類には「漢方」も含まれます。分かりやすい例としては、マムシやスッポン、高麗人参などの粉末があります。
精力剤としての効果については、医学的な根拠に乏しいものの、古くから取り入れられていることや、化学薬品ではないオーガニックな精力剤として選択肢の一つになっています。
精力剤の効果
精力剤の種類が理解できたところで、精力剤の効果についても把握しておきましょう。
滋養強壮
精力剤には「滋養強壮」の効果があります。身体の弱った部分を栄養補給することで改善し、活力や行動力、さらには集中力を向上させます。
肉体疲労回復
精力剤の効果には「肉体疲労回復」もあります。とくに、精力剤に含まれる「鉄分」を補うことで慢性的な疲労も改善できるとされています。
男性機能改善
精力剤には「男性機能改善」効果も見込めます。性欲減退や勃起力低下といった症状の改善に役立つでしょう。
精力剤に含まれる主な成分
精力剤に含まれる主な成分について紹介します。一般的な精力剤には以下のような成分が含まれています。
- アルギニン
- マカ
- 亜鉛
- シトルリン
これらは疲労回復や男性機能の改善などに効果的とされており、精力剤の定番と言えます。
一方で、処方箋用医薬品ではシルデナフィル、第1類医薬品ではメチルテストステロンといった、より強い成分が使われています。
精力剤に使用される成分は、薬事法で明確に区分されており「効果が高いものほど容易に買えない」と考えてよいでしょう。
逆を言えば、薬局やコンビニなどで手軽に入手できる精力剤は、処方箋用医薬品よりも効果が低いということでもあります。
精力剤以外でおすすめの方法
精力剤以外で精力をつけるおすすめの方法を紹介します。
生活習慣の改善
精力剤以外で精力を付ける方法として「生活習慣の改善」をおすすめします。とりわけ、食事、運動、睡眠の3つの改善を心がけましょう。
食事では「牡蠣」や「あさり」、そして「うなぎ」などがおすすめです。これらには鉄や亜鉛、タウリンといった栄養素が豊富に含まれており、とくにED(勃起不全)などの男性機能改善に向いています。
また、1日1時間程度の有酸素運動や筋力トレーニングは男性ホルモンであるテストステロンの分泌を促し、十分な睡眠と合わせることで精力が付くとされています。
ホルモン補充療法
「ホルモン補充療法」も精力剤以外で精力をつけるのにおすすめです。以前よりも元気がなくなった、疲れやすい、性的興奮が少ないといったケースは、男性ホルモンの低下が原因かもしれません。
とくに40歳以降では、男性更年期障害(LOH症候群)の可能性もあることから、迅速かつ確実なホルモン補充療法がおすすめです。
ED治療薬
精力剤以外で精力をつけるには「ED治療薬」もおすすめです。勃起不全や中折れが起きるようになった場合は、精力剤よりもED治療薬が適しています。
精力が低下すると、EDを発症し男性としての自信を失うことにもなりかねませんので、手軽で確実なED治療薬をおすすめします。
まとめ
精力剤はひと言で言い表せないほどに種類や目的があり、必ずしも性欲を向上させるものだけではありません。
体力や気力といった精力が低下していると感じた時は、医師に相談のうえホルモン補充療法やED治療薬を試してみることをおすすめします。
MSクリニックではED治療薬として、メーカー正規品のバイアグラとシアリスだけでなく、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィルといったジェネリック医薬品も国内製薬会社製造の製品を処方しています。
専門医が丁寧に問診・診察・説明を行い、来院から10分程度でその場でお渡しいたします。お気軽にご相談ください。
この記事の監修医師

葉山芳貴
経歴
平成14年 聖マリアンナ医科大学 卒業
平成20年 大阪医科大学 大学院 卒業
平成22年 大手美容形成外科 院長 就任
平成27年 メンズサポートクリニック開設
平成28年 メンズサポートクリニック新宿 院長就任
平成28年 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)