「遅漏や早漏は射精障害という病気なの?」や「遅漏の原因や治し方を知りたい」と考えたことがある男性は多いと思います。
遅漏は早漏と比較して、その症状に気が付きにくいことや、あまり問題視されないことから、放置している男性が多いとされています。
この記事では、主に「遅漏」に焦点を当てて、射精障害という症状について医師がわかりやすく解説します。
この記事の目次
射精障害とは
遅漏や早漏、射精不能といった症状をまとめて「射精障害」と呼びます。射精障害は、勃起や挿入には支障がないものの、様々な理由で射精に支障が生じる性機能障害のひとつです。
射精障害の主な症状には、性行為時に射精できない「遅漏」や、挿入前または挿入後1分内に射精してしまう「早漏」、さらには脊髄損傷といった神経障害が原因の「射精不能(神経性射精障害)」などがあります。
一般的に「遅漏」は、射精までに時間がかかる症状として認識されていますが、重度の症状になると「膣内射精障害」となり、男性不妊症の原因になります。
射精障害のなかでも「遅漏」に関しては、遅漏と判断するための明確な基準がないことや、セックスするまで遅漏であることに気が付きにくいことから、とくに注意すべき症状とされています。
射精障害の種類
射精障害の種類には、以下のようなものがあります。
- 遅漏
- 早漏
- 射精不能
- 逆行性射精
それぞれについて解説します。
遅漏
射精障害のひとつが「遅漏」です。遅漏はマスターベーションでは射精できるのに、セックスでは射精できない、あるいは射精までに時間を要する症状です。
遅漏になる原因は「不適切なマスターベーション」とされています。例えば、自慰行為の際に、ペニスを力いっぱい握りしめたり、ペニスを床やベッドにこすりつけるような行為を続けていると、膣に挿入した程度では射精に至る刺激を得られなくなります。
この結果、時間をかけても膣内で射精できない「膣内射精障害」になり、事態は深刻化してしまいます。
早漏
「早漏」も射精障害のひとつです。早漏は国際性機能学会(ISSM)がひとつの目安として「いつも挿入前、挿入時、挿入後において1分以内に射精する」ことを定義しています。
早漏は「射精する」という意味では射精障害に該当しないかもしれませんが、膣内で正常に射精するか否かという点で射精障害のひとつに数えられています。
早漏の原因は、包茎が遠因となって刺激に対して過敏に反応してしまうことや、ストレスやプレッシャーで射精をコントロールできないことなど様々です。
射精不能
射精障害には「射精不能」も含まれます。具体的には、脊髄などの神経障害が原因の神経性射精障害が該当します。
射精不能は遅漏や早漏と異なり、神経障害が原因であることが多いため、陰茎を振動で刺激したり、電気で射精を誘導するといった治療を受けなければいけません。
逆行性射精
「逆行性射精」も射精障害のひとつです。逆行性射精とは、射精時に精液が膀胱に逆流してしまう症状で、射精感は得られるものの、精液の量が少ない、あるいは皆無という現象が起こります。
逆行性射精になる原因は、射精時に閉じているべきはずの膀胱頸部が開いていることで、糖尿病による末梢神経の障害などがきっかけになります。
遅漏とは
遅漏とは、射精までに時間がかかること、または性行為時に射精できないことです。先述したように、遅漏かどうかを判断するための医学的な基準は存在しません。
そのため「挿入から何分間以降が遅漏」といった判断ができないことが特徴です。一般的に、挿入から射精までにかかる理想的な時間が10分から15分とされていますので、これ以上かかっても射精しない場合は、遅漏を疑う必要があるでしょう。
一方で、射精までに時間がかかったとしても、パートナーも含め互いに満足しているようであれば、必ずしも遅漏と判断する必要はなく、遅漏の判断基準は線引きが難しいことを知っておきましょう。
遅漏の特徴
遅漏は以下のような特徴があります。
- 射精まで時間がかかる
- 症状に気が付きにくい
- 男性不妊症の原因になる
射精まで時間がかかる
遅漏の特徴として「射精まで時間がかかる」ことがあります。先述したように、挿入から射精までに要する時間が10分から15分以上かかる場合は、遅漏を疑う必要があります。
症状に気が付きにくい
「症状に気が付きにくい」ことも遅漏の特徴です。遅漏は自慰行為の際には自覚しづらく、セックスの際にはじめて気づくことがほとんどです。
しばらくセックスしないでいると、いつの間にか遅漏になっていたということも起こりうる訳です。
男性不妊症の原因になる
遅漏は「男性不妊症の原因になる」ことも特徴です。膣内で射精に至らないということは、自然妊娠が難しく、不妊の原因が男性側に生じることになります。
遅漏の種類と原因
遅漏は以下3つの種類に分けられ、それぞれで原因が異なります。
鈍麻性遅漏
「鈍麻性遅漏」は、セックスの際に膣で受ける刺激では物足りない状態になって射精できなくなる症状です。
原因としては、膣で受ける刺激とかけ離れた刺激でマスターベーションを繰り返していることが該当します。
例えば、自慰行為の際にペニスを過度に握りしめたり、電気振動を使ったりすることを習慣化していると鈍麻性遅漏になる可能性が高まります。
衰弱性遅漏
「衰弱性遅漏」は、身体機能が衰えることで射精までに時間がかかる状態です。身体機能が低下し始める40代以降に多くみられ、セックスの際に射精まで体を動かすことができなくなることが原因です。
心因性遅漏
「心因性遅漏」は、ストレスや心理的なプレッシャー、さらには過去の性体験のトラウマなどが原因で射精までに時間がかかる状態です。
よくある事例としては、子作り(妊活)の重圧や責任を感じるがあまり、射精できないといったことがあります。
遅漏の治療法
遅漏の治療には以下のような方法があります。
適切なマスターベーションを心がける
遅漏の治療法として「適切なマスターベーションを心がける」ようにしましょう。遅漏は、膣による刺激から乖離した刺激を得る自慰行為を習慣化することで起こりやすくなります。
このような事態を防ぐために、自慰行為の際は、セックスで得られる刺激に近くなるようにすることがポイントです。
また、刺激的な動画などに慣れてしまうと、通常の性行為では満足できず、射精に至らなくなるので注意しましょう。
カウンセリングを受ける
遅漏の治療法としては「カウンセリングを受ける」ことも有効です。具体的には、泌尿器科医や心理カウンセラーに相談することがおすすめです。
カウンセリングに抵抗がある場合は、医師も看護師も全員男性の「男性専用クリニックの医師」に相談するとよいでしょう。
ED治療薬を使う
遅漏の治療法として「ED治療薬を使う」こともおすすめです。もし、射精までの間に中折れを起こしたり、勃起が継続しなかったりする場合は、バイアグラやシアリスといったED治療薬を試してみるとよいでしょう。
遅漏を気にするあまり、セックスの度に中折れや勃起不全を起こしていると、より深刻なED(心因性ED)を招く可能性があります。
まとめ
遅漏や早漏といった症状は射精障害という症状で、とくに遅漏は自覚しにくいため注意すべき症状です。
射精までに時間がかかることが続く場合は、男性不妊症やEDになる可能性があるので、早めに医師に相談するようにしてください。
新宿・横浜・名古屋・大阪のMSクリニックは、包茎手術・長茎術・亀頭増大術・早漏治療などから、AGA薄毛治療など、男性美容まで男性のお悩みを全て解消するメンズクリニックです。
症例豊富な医師をはじめ、看護師も全員が男性ですので、どうぞお気軽にご相談、ご来院ください。
この記事の監修医師

葉山芳貴
経歴
平成14年 聖マリアンナ医科大学 卒業
平成20年 大阪医科大学 大学院 卒業
平成22年 大手美容形成外科 院長 就任
平成27年 メンズサポートクリニック開設
平成28年 メンズサポートクリニック新宿 院長就任
平成28年 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)