「最近、朝立ちしない」や「朝立ちしないって病気なの?」と不安を覚えたことがある男性は多いのではないでしょうか。
朝立ち(朝勃ち)は、男性の健康状態を知るバロメーターとも言われるひとつの生理現象ですが、年齢を重ねてくると、若い頃のように朝立ちしなくなることもあります。
朝、目覚めた時に勃起することで元気を実感する男性も多いでしょう。一方、朝立ちしなくなったことで「何かの病気かも?」と不安になる男性も多いはずです。
この記事では、そんな「朝立ち」について、朝立ちしない原因や対策、朝立ちのメカニズムなどについて、ED治療などの実績が豊富な医師が分かりやすく解説します。
この記事の目次
朝立ちとは
朝立ち(朝勃ち)とは、一般的には、睡眠から覚醒した際にペニスが勃起することを指していますが、医学的には「夜間勃起現象(夜間勃起)」と呼ばれる生理現象のことです。
男性の多くは、睡眠時、無意識に勃起を繰り返しますが、このサイクルのひとつが、睡眠から目覚めたタイミングで生じることを「朝立ち」と呼んでいます。
朝立ちは「朝に勃起すること」と認識されていますが、実は、睡眠中を通して繰り返される勃起のサイクルのひとつということを知っておきましょう。
朝立ちのメカニズム
朝立ちしない原因や対策を理解するうえでは「朝立ちのメカニズム」を知ることが不可欠です。
朝立ちは、睡眠時に90分から120分の間隔で交互に繰り返されるノンレム睡眠(深い眠り)とレム睡眠(浅い眠り)に強い関係があります。
「夜間勃起現象」は、浅い眠りであるレム睡眠時に、性的な興奮とは関係なく無意識に起こります。
なぜ睡眠時にも勃起するかと言うと、浅い眠りの時には自律神経が働いていること、そして生殖機能の衰えを防ぐためとされています。
睡眠の最終段階、すなわち朝の起床時に迎えるレム睡眠時にもこの現象が起こり、結果として「朝立ち」と呼ばれている訳です。
朝立ちしない原因
朝立ちしない原因は主に以下のようなことが考えられます。
- 男性更年期障害
- テストステロン減少
- 老化による血流低下
上記の原因についてそれぞれ解説します。
男性更年期障害
朝立ちしない原因として考えられるのが「男性更年期障害」です。男性更年期障害は男性ホルモンの分泌量が減少することで起こり、主に筋力低下、不眠、全身の倦怠感、肥満、無気力、そして性欲低下といった様々な症状が含まれます。
なかでも「筋力低下」と「不眠」の症状が、朝立ちしない原因に深い結び付きがあると言われています。
テストステロンの減少
「テストステロンの減少」は朝立ちしない根本的な原因と言えます。テストステロンは男性の生殖機能に影響を与えるホルモンのひとつであることから、分泌量が減少すると生殖機能も衰えやすくなります。
先述したように、朝立ち(夜間勃起現象)は、生殖機能の維持を目的にしているため、テストステロンの減少により朝立ちしない可能性が高くなります。
老化による血流低下
朝立ちしない原因には「老化による血流低下」もあります。勃起は陰茎に血液が流れることで起こりますが、加齢によって血管が硬くなる「動脈硬化」が起きると血流が悪くなって勃起しにくくなります。
動脈硬化が起きる主な要因は、加齢以外にも、ストレス、運動不足、食生活の乱れなどが挙げられます。
また、糖質や脂質が多い食事、アルコールの飲みすぎといった生活を続けていると、高脂血症または脂質異常症になり、結果として勃起しにくくなります。
朝立ちしないことで生じる影響
朝立ちしないことは以下のような影響を及ぼす可能性があります。
- 男性更年期障害の発症
- ED発症
- 精神不調
それぞれの影響について解説します。
男性更年期障害の発症
朝立ちしないことは「男性更年期障害の発症」を招く可能性があります。朝立ちしないことは、男性ホルモンであるテストステロンが減少している兆候と言え、テストステロンが減少すると、筋肉量低下や性欲減退、無気力やイライラといった男性更年期障害に該当する症状が出てくるかもしれません。
ED発症
「ED発症」も朝立ちしないことで生じる影響と言えます。朝立ちしないということは「男性機能の衰え」の兆候とされています。
男性機能が低下すると、性行為においても勃起しなかったり、中折れを起こしたりする、すなわちED(勃起不全)を発症する可能性があります。
精神不調
朝立ちしないことは「精神不調」に影響を及ぼすことも考えられます。朝立ちしない原因には、テストステロンの減少や酸化ストレスの増加が大きく関係しています。
これらは「うつ症状」をはじめとする精神不調の原因と共通することから、朝立ちしないことが精神的な健康状態にも影響を与えると考えられています。
朝立ちしないこと以外でも気を付けたい症状
朝立ちしないことは、男性更年期障害やED、さらには精神不調の兆候ということが分かったと思います。
これらの症状は、朝立ち以外にも兆候がありますので、合わせて覚えておきましょう。
中折れ
朝立ちしない以外にも、セックスの際に「中折れ」が起きる症状がある場合は、EDを疑う必要があります。
朝立ちしなかったり、中折れを繰り返したりする場合は、勃起機能が低下しているかもしれません。
朝立ちしないことに加え、中折れ、勃起時に十分な硬さにならないといった場合は、EDを発症しているかもしれないので注意しましょう。
性的興奮による勃起の頻度
朝立ちしない以外に「性的興奮による勃起の頻度」が少なくなっている時も注意が必要です。とくに、パートナーとのセックスで勃起しにくいといった時は「マンネリ化」を理由に片付けてしまいがちですが、実は男性機能の低下、EDのサインかもしれません。
また、マスターベーションでは十分に勃起するからと言って気に留めないでいると、実は勃起不全だったというパターンも考えられます。
朝立ちしない時におすすめの対策
朝立ちしない、朝立ちの回数が減ったというような場合は、以下の対策がおすすめです。
生活習慣の改善
朝立ちしないような場合は「生活習慣の見直し」から始めましょう。具体的には、食生活、睡眠、運動の3つが大切です。
食生活では、テストステロンの増加に有効とされる「コレステロール」や「タンパク質」の摂取を心がけ、糖質や脂質そしてアルコールを控えめにすることが大切です。
また、睡眠は1日6時間から7時間、運動として筋トレなどを取り入れることをおすすめします。
ED治療薬
「ED治療薬」も朝立ちしない時の対策として検討しましょう。バイアグラやレビトラ(バルデナフィル)といったED治療薬には、勃起を静める役割を持つPDE5という酵素の働きを阻害する効果があります。
これにより、勃起の正常化が促され、朝立ちしない症状や勃起機能そのものが改善される期待ができます。
ホルモン補充療法
朝立ちしない場合には「ホルモン補充療法」もおすすめです。朝立ちはテストステロンをはじめとする男性ホルモンが不足していることが原因であることから、不足している男性ホルモンを補充することで勃起機能が改善される可能性があります。
EDや男性更年期障害全般にも有用とされている治療法ですので、まずは男性専用クリニック等で男性ホルモン量の検査から始めましょう。
まとめ
朝立ちしないことは、EDや男性更年期障害といった隠れた症状の兆候と考えるようにしてください。
朝立ちしないことを放置していると、思わぬ影響を招く可能性があるので、ED治療薬やホルモン補充療法などの対策を講じることをおすすめします。
MSクリニックは、男性治療専門のクリニックで、医師、看護師は全て男性です。
予約制と個室対応で、他の患者さまと顔を合わせることもありませんので、気兼ねなくご来院いただけます。
この記事の監修医師

葉山芳貴
経歴
平成14年 聖マリアンナ医科大学 卒業
平成20年 大阪医科大学 大学院 卒業
平成22年 大手美容形成外科 院長 就任
平成27年 メンズサポートクリニック開設
平成28年 メンズサポートクリニック新宿 院長就任
平成28年 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)