「医療脱毛は痛いって本当?」や「医療脱毛はどれくらい痛い?」と気になっている男性は多いことでしょう。
医療脱毛は高出力レーザーを用いた脱毛方式で、効果が高い反面、痛みを伴いやすいとされています。
一方で、あまり痛みを感じなかったとする人や、脱毛する部位によって痛みが変わるとする声もあり、実際のところは分かりにくいのが実情のようです。
そこでこの記事では「メンズ医療脱毛の痛み」について、痛いとされる部位や理由、痛みを軽減する方法などを医師がわかりやすく解説します。
この記事の目次
医療脱毛とは
医療脱毛とは、医療機関において医師や看護師などの医療従事者のみが取り扱える高出力脱毛機を使った脱毛方式です。
法律上、医療機関以外が身体に対して組織の破壊を伴う行為を行うことは禁止されています。医療脱毛では高出力の脱毛機を使って毛根組織を破壊することで脱毛しますが、この毛根組織を破壊することが医療行為に該当します。
一般的なサロン脱毛(エステ脱毛)で使用される光脱毛器は法律に準拠しているため、毛根組織を破壊することはありません。
よって、医療脱毛は一般的なサロン脱毛と比較して、脱毛の効果が高く、永久脱毛できることが特徴です。(永久脱毛の定義は、最後の脱毛から毛の再発率が20%以下)
また、サロン脱毛よりも短期間および少ない回数で完了することが多く、効果や時間といった点において優れている脱毛方式と言えるでしょう。
一方で、医療脱毛は施術時に痛いと感じることが多いとされています。痛みについては個人差があるものの、予想よりも痛いと思わなかったとする声や、輪ゴムで強く弾かれるような痛み、麻酔なしでは耐えられないといった様々な反応があります。
医療脱毛は高い脱毛効果や、短期間で完了するといったメリットがある反面、痛みを伴うデメリットがあると言えるでしょう。
医療脱毛で痛いとされる部位の順番
医療脱毛は痛いとされていますが、脱毛する部位によって痛みは大きく変わります。毛が太いほど、毛の密度が濃いほど、皮膚が薄いところほど痛みが強くなる傾向があります。とくに痛いと感じやすい部位は以下の通りです。
- VIO
- ヒゲ
- 膝下から足首にかけて
VIO
医療脱毛で痛いと感じやすい部位のひとつが「VIO」です。デリケートゾーンであるVIOは、皮膚が薄く、脂肪が少なく、そして太くて濃い毛が密集しており、痛みが生じやすい条件が揃っています。
太く濃い毛にはメラニン色素が多く含まれており、このメラニン色素にレーザーが反応して発熱することで痛みを感じます。
さらに、VIOは神経や血管が集中しており、それらを保護する役目を持った脂肪が少ないことから、痛みをダイレクトに感じやすいとされています。
ヒゲ
医療脱毛において痛いと感じやすい部位のひとつが「ヒゲ」です。ヒゲもVIO同様に、皮膚が薄い部位に太く濃い毛が集中しています。
とりわけ「鼻下」は痛みを感じやすい部位とされており、ヒゲが濃い男性にとって辛い部分と言えるかもしれません。
膝下から足首にかけて
医療脱毛で痛いとされる部位に「膝下から足首にかけて」も挙げられます。膝下から足首にかけては、脂肪が少なく、骨に響くような痛みを感じるとされています。
とくに「脛(すね)」が痛いとされていますが、VIOやヒゲと比較して、痛みの感じ方は緩やかに思えるかもしれません。
医療脱毛が痛い理由
医療脱毛が痛いとされる理由には主に以下のようなことが挙げられます。
- 脱毛機の照射パワー(熱)
- 毛の太さ・密度
- 皮膚が薄い(骨に響きやすい)
上記の理由についてそれぞれ解説します。
脱毛機の照射パワー(熱)
医療脱毛が痛い理由のひとつが「脱毛機の照射パワー(熱)」です。医療脱毛では、高出力のレーザーを使用するため、黒い毛(メラニン色素)に熱エネルギーが伝わり痛みを感じます。
その熱エネルギーは瞬間的ながら230度に達することもあり、照射パワーが強い分、熱が発生しやすく痛みとして認識する訳です。
毛の太さ・密度
医療脱毛が痛い理由には「毛の太さ」「毛の密度」も関係しています。先述したように、レーザーは毛の黒い部分に反応するため、太い毛(メラニン色素が多い)だと熱が発生および伝達しやすくなり、結果的に痛みを感じます。
また、太い毛はVIOやヒゲのように密集して生えていることが多く、レーザーが広い範囲で反応し、一層痛みを感じやすくなります。
皮膚が薄い(骨に響きやすい)
医療脱毛が痛い理由には「皮膚が薄い」ことも挙げられます。医療脱毛で使用される高出力のレーザー脱毛機は、ヒゲや膝下、指先のような皮膚が薄く骨に近い部位ほど、衝撃や熱エネルギーが伝わりやすく、鈍く響くような痛みを感じやすいとされています。
医療脱毛で痛いと感じやすい人の特徴
医療脱毛で痛いと感じやすい人の特徴を紹介します。
乾燥肌
「乾燥肌」の男性は医療脱毛で痛いと感じやすいでしょう。乾燥肌の場合、肌のバリア機能である皮脂分泌量や、角質の水分含有量が低い状態です。
この結果、外部からの刺激(レーザーの照射)に対する保護機能が十分確保できず、痛みを感じやすくなります。
日焼け肌
「日焼け肌」の男性も医療脱毛で痛いと感じやすいでしょう。医療脱毛のレーザーはメラニン色素に反応するため、メラニン色素が肌に多く含まれている日焼け肌だと、必然的に痛みを感じやすくなるばかりか、火傷のリスクが高まります。
医療脱毛で痛みを軽減する方法
医療脱毛で痛みを軽減する方法を紹介します。
麻酔
医療脱毛で痛みを軽減する方法として「麻酔」があります。多くの医療機関で「麻酔クリーム」や「笑気麻酔」が用意されているため、麻酔を利用すれば痛みを回避または軽減できます。
痛みが少ないとされる脱毛機を選ぶ
医療脱毛で痛みを軽減する方法には「痛みが少ないとされる脱毛機を選ぶ」こともポイントです。
具体的には「蓄熱式脱毛機」を採用している医療機関がおすすめです。蓄熱式脱毛機は「弱いパワーを連続照射する」ことが特徴で、一般的な熱破壊式脱毛機と比較して痛みが少ないとされています。
パワーが弱い分だけ治療回数が多くなる傾向があると言われています。
保湿対策を徹底する
医療脱毛で痛みを軽減する方法として「保湿対策を徹底する」ことをおすすめします。肌が乾燥した状態だと痛みを感じやすく、術後に炎症を起こす可能性もあります。
日頃から保湿対策を徹底し、肌バリアを保つようにしてください。
医療脱毛とサロン脱毛における痛みの違い
医療脱毛は高出力のレーザーを用いるため痛みが生じやすい一方、サロン脱毛は光を使った方法のため痛みが少ないとされています。
医療脱毛は痛みを伴う分、脱毛の効果を得やすく、通う回数も少ない特徴があります。対照的に、サロン脱毛は痛みが少ない分、脱毛効果が劣り、通う回数が多くなります。
このように、痛みと効果には密接な関係があることを覚えておきましょう。
医療脱毛の痛みに関するよくある質問と回答
医療脱毛の痛みに関するよくある質問を紹介します。
医療脱毛は泣くほど痛いというのは本当ですか?
いいえ。個人差があるものの、泣くほどではないでしょう。痛みが心配な場合は、麻酔を利用したり、照射パワーを下げたりする対応も可能です。
医療脱毛で最も痛い箇所はどこですか?
VIOまたはヒゲです。とりわけ、VIOの「Oライン(肛門周辺)」、そしてヒゲの「鼻下」は痛いとされています。
医療脱毛は何回目が一番痛いのですか?
1回目もしくは2回目です。理由は毛量が最も多い時で、なおかつ照射に慣れていないためです。
痛いのに耐えられない場合はどうなりますか?
麻酔の利用をおすすめします。この場合、麻酔の料金が別料金かどうかをあらかじめ確認しておきましょう。
まとめ
メンズの医療脱毛は痛いとされていますが、痛みは部位によって異なり、麻酔のように痛み対策もあります。
痛みに関しては個人差がありますので、カウンセリングの際に医師に相談することをおすすめします。
この記事の監修医師

葉山芳貴
経歴
平成14年 聖マリアンナ医科大学 卒業
平成20年 大阪医科大学 大学院 卒業
平成22年 大手美容形成外科 院長 就任
平成27年 メンズサポートクリニック開設
平成28年 メンズサポートクリニック新宿 院長就任
平成28年 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)