「包茎の癒着ってどんな状態?」や「包茎で癒着するとどうなるの?」と考えたことがある男性は多いと思います。
癒着は包茎の原因のひとつとして知られているかもしれませんが、排尿障害や早漏、さらにはED(勃起不全)につながる可能性があることはあまり知られていないようです。
この記事では「癒着」とはいったいどのような症状なのか、癒着が起きる原因や影響について、医師がわかりやすく解説します。
この記事の目次
包茎の癒着とは?
包茎の癒着とは、ペニスの包皮内側と亀頭の表面がくっついた状態で、包皮が一定以上剥けないことを指しています。
癒着は軽度と重度に分けられ、軽度の癒着は亀頭の一部がくっついている状態であるのに対し、重度の場合は広範囲にくっついて包皮を剥けない状態です。
そもそも、ほとんどの男性は赤ちゃんの頃のペニスは癒着している状態です。しかし、身体の成長が進む第二次性徴期(11歳から16歳頃まで)までに自然と癒着が外れていきます。
この際、自然に癒着が外れなかったり、亀頭包皮炎になったりすることで癒着が進み、結果的に包茎となる訳です。
癒着は無理に外そうとすると出血を伴う痛みを招いたり、包皮や亀頭を傷つけたりすることになり、最悪の場合は亀頭に変形が残る可能性も否定できません。
癒着は「包茎の原因」とだけ解釈する人もいますが、癒着を放置することは炎症や性病、さらにはED(勃起不全)などにもつながるため、とくに第二次性徴期を超えて以降も癒着が続いている男性は早期の治療が必要です。
癒着によって起こる症状
癒着によって起こる主な症状には以下のようなことが挙げられます。
- 真性包茎
- 早漏
上記についてそれぞれ解説します。
真性包茎
癒着によって「真性包茎」になる可能性があります。真性包茎は、平常時および勃起時にペニスの包皮がまったく剝けない状態のことで、包皮と亀頭が癒着してしまうと包皮が剥けなくなります。
真性包茎を放置していると、亀頭包皮炎や尿路感染症、ペニスの発育不全(先細りペニス)、さらには正常な性交ができなくなるといった弊害が生じます。
早漏
癒着によって「早漏」になることも考えられます。癒着が生じているということは、亀頭が完全に露出していないことから、刺激に弱い状態です。
この結果、性行為の際に短時間で射精しやすくなり、人によっては早漏が原因になり性交に自信が持てなくなって「心因性ED(勃起不全)」を招くかもしれません。
癒着が起きる原因
包茎の癒着が起きる原因には主に以下のようなことが挙げられます。
- 子供の頃から露茎していない
- 亀頭包皮炎
- 生活習慣病
上記についてそれぞれ解説します。
子供の頃から露茎していない
包茎の癒着が起きるひとつ目の原因は「子供の頃から露茎していない」ことです。ほとんどの男性は生まれつき癒着した状態ですが、成長に合わせて自然に癒着が外れていきます。
この結果、自然または自分で包皮を剥くことで亀頭が露出した状態の「露茎」になります。しかし、子供の頃から陰茎が十分に成長しなかったり、包皮が過度に余ることで癒着が生じやすくなります。
亀頭包皮炎
包茎の癒着の原因には「亀頭包皮炎」もあります。亀頭包皮炎は、ペニスの包皮内側に細菌や真菌などが繁殖したり、亀頭や包皮を過度に刺激したりしてできた傷口にこれらの菌が入り込むことで炎症を起こす疾患です。
炎症を起こすと皮膚に微細な傷が生じ、傷が生じた皮膚同士が接触すると皮膚同士が癒着してしまいます。
生活習慣病
包茎の癒着の原因として「生活習慣病」も挙げられます。具体的には、動脈硬化や高血圧といった症状が該当し、これらの症状がある人は炎症を治すために必要な酸素や栄養が円滑に届きにくくなります。
つまり、亀頭包皮炎をはじめとするペニスの炎症を起こした時になかなか完治しない結果、癒着してしまうということです。
癒着による包茎の治療法
癒着のある包茎の治療法について解説します。
包茎手術
癒着による包茎の場合は「包茎手術」が必要です。
癒着部分を丁寧に剝離形成したうえで、余剰な包皮を切除する手術になります。
包茎の癒着に関するよくある質問と回答
包茎の癒着に関するよくある質問をご紹介します。
癒着は赤ちゃんや幼児期から対策した方がいいですか?
いいえ。赤ちゃんや幼児期の男の子は、これからペニスの発育を迎えるため、ほとんどの場合において癒着は自然に外れていきます。
従って、ペニスが成長する第二次性徴期(16歳頃)までは経過観察をおすすめします。ただし、排尿時に支障が生じたり、痛みや炎症を起こすような場合は医師に相談しましょう。
癒着は自分で判断できますか?
仮性包茎であれば、癒着は目で見て確認できます。真性包茎でまったく包皮を剥くことができない場合は見えないところに癒着があることも考えられますので、医師による正確な診断が求められます。
癒着は治せますか?
はい、癒着は治せます。治し方は「癒着剥離手術」+「包茎手術」になります。
「癒着剥離手術」は文字通り癒着を剥離する手術ですが「癒着剥離手術」だけをおこなっても、「包茎手術」を行わないと、剥がした組織同士が再度くっついて、再癒着を起こす可能性が非常に高いため、基本的には、「癒着剥離手術」と「包茎手術」を同時に行います。
昨今の包茎手術は、日帰り可能で手術時間は40分程度、通院は1回で完了するほど手軽なものになっています。
包茎ですが癒着が原因でしょうか?
平常時および勃起時にまったく包皮が剥けない「真性包茎」の場合、癒着が原因の可能性が高いと言えます。
しかし、包茎の原因については医師による正確な診断が必要ですので、まずは男性専用クリニックで相談してみてください。
まとめ
包茎の癒着は放置しておくと炎症や性病、排尿障害、さらにはEDを招くこともあります。
日常的に支障を感じていないからといってそのままにしておくと思わぬかたちで影響が生じるかもしれません。
とくに真性包茎の疑いがある男性は速やかな治療が求められますので、まずは医師に相談することからはじめてください。
MSクリニックでは、30,000例を超える泌尿器形成の症例を誇る経験豊富な専門医が、最高レベルの技術をもって施術にあたります。
症例豊富な医師をはじめ、看護師も全員が男性ですので、どうぞお気軽にご相談ください。
この記事の監修医師

葉山芳貴
経歴
平成14年 聖マリアンナ医科大学 卒業
平成20年 大阪医科大学 大学院 卒業
平成22年 大手美容形成外科 院長 就任
平成27年 メンズサポートクリニック開設
平成28年 メンズサポートクリニック新宿 院長就任
平成28年 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)