「バイアグラを女性が飲むとどうなるの?」や「女性がバイアグラを飲んでもいいの?」などと考えたことがある人はいませんか?
バイアグラは、ED(勃起不全)治療薬として広く知られており、勃起力の低下に悩む男性たちから絶大な支持を得ている薬です。
そんなバイアグラですが、男性の勃起力改善効果が高いことから、精力がつくと勘違いし、興味本位で女性が服用してしまう好ましくないケースもあるようです。
そこでこの記事では「バイアグラと女性」に関して、服用するとどうなってしまうのか、服用すべきでない理由などについて、ED治療を数多く手掛ける医師がわかりやすく解説します。
この記事の目次
バイアグラとは
バイアグラを女性が飲むとどうなるかを理解するためには、特徴や効果などを含め、バイアグラがどのような薬であるかを知っておきましょう。
バイアグラの主な特徴は以下の通りです。
- 世界初のED(勃起不全)治療薬
- ED(勃起不全、勃起障害)患者向け
- 日本では1999年から流通している
- 服用後、30分から1時間で効果が現れる
- 効果の持続時間は、4~5時間
- 血管拡張作用により血液および血流量が増える
- 食事の影響を受けやすい
- 火照りや頭痛などの副作用の可能性がある
- 性欲増進効果や催淫効果はない
このように、バイアグラは世界初のED治療薬であることや、ED患者の治療を目的にした薬であることが分かります。
また、バイアグラを販売するヴィアトリス製薬株式会社は、同薬の医薬品インタビューフォーム(医薬品の注意事項や副作用などの基本的情報を記した書面)において「本剤は催淫剤又は性欲増進剤ではない。」と注意を促しています。
つまり、バイアグラは、男性のED治療を目的にした薬であり、男女ともに性欲を高める効果や、性的興奮を誘うような効果はないということです。
これらに合わせて知っておきたいこととして、バイアグラのジェネリック薬品があります。バイアグラのジェネリックは「シルデナフィル」と呼ばれ、日本国内では武田薬品をはじめとする9社が製造販売しています。
シルデナフィルは「バイアグラと同一有効成分の薬」であるため、効果や持続時間、そして副作用などの違いはなく、バイアグラよりも安価ということが特徴です。
従って、バイアグラおよびジェネリック薬品であるシルデナフィルは、実質的に同じ薬と考えてください。
バイアグラを女性が服用するとどうなるのか
バイアグラを女性が服用するとどうなるのかについて解説します。考えられる主な影響として、以下のようなことが挙げられます。
- 膣や陰核(クリトリス)を含む全身の血流が促される
- 火照り、頭痛、動悸、めまい、目の充血などの副作用が生じる
- 長時間にわたって副作用が続く可能性がある
バイアグラは、男性の勃起力を改善することを目的にした薬であるため、女性がバイアグラを服用しても、有用な効果が得られることはないでしょう。
考えられる影響としては、陰部を含む全身の血流が促されることがあります。一方、血流が促進されることに伴って生じる火照りや頭痛といった副作用が、男性と比較して長い時間続く可能性が考えられます。
すなわち、バイアグラを女性が飲むことは、医学や健康面におけるメリットはなく、副作用が長時間にわたって生じるリスクしかないと言えます。
そのため、興味本位であったとしても、女性がバイアグラを服用することは控えるべきです。
バイアグラを女性が服用することで生じるリスク
バイアグラを女性が服用することで生じる主なリスクは、主に以下のようなことが挙げられます。
- 火照りやめまい、頭痛などの副作用
- 副作用が長時間継続する可能性がある
火照りやめまい、頭痛などの副作用
バイアグラを女性が服用すると「火照りやめまい、頭痛などの副作用」が生じるリスクがあります。
これらの副作用は、男性にも共通していることですが、女性も例外ではありません。この他に、動悸、消化不良、関節痛、そして発疹などの副作用が認められています。
副作用が長時間継続する可能性がある
「副作用が長時間継続する可能性がある」ことも、バイアグラを女性が服用した場合に生じるリスクです。
バイアグラの主成分であるシルデナフィルは、腸で吸収され、肝臓で代謝されます。女性は男性と比較して、腸の長さが短く、なおかつ肝臓が小さいため、吸収と代謝に時間がかかってしまいます。
この結果、長時間にわたってバイアグラの成分が体内に残り、副作用の時間も長くなるというわけです。
バイアグラの成分が体内に残りやすいということは、副作用の時間が長くなるだけでなく、副作用の程度が強くなる可能性を否定できません。
具体的には、服用後長時間にわたって激しい頭痛、ひどいめまい、そして強い吐き気などを催すことも考えられます。
女性がバイアグラを飲むべきでない理由
女性がバイアグラを飲むべきではない理由には、以下のようなこともあります。
- 薬機法違反
- 安全性が確立されていない
- 医薬品副作用被害救済制度の適用外
薬機法違反
バイアグラおよびシルデナフィルは、医師の処方がなければ入手できない医薬品です。医薬品や医療機器等の安全性に関する法律である通称「薬機法」では、いかなる医薬品も譲渡が禁じられています。
バイアグラを処方してもらった男性が女性に譲ったり、服用させたりすることは法律で禁止されている行為ですので、女性はバイアグラを飲むべきではありません。
安全性が確立されていない
バイアグラは男性のED改善を目的にした医薬品であり、女性の服用を前提にしていません。つまり、女性の心身への影響については不透明な部分が多く、安全性が確立していないということです。
安全性が確立していない医薬品を服用することは、非常に危険な行為であることから、女性はバイアグラを飲むべきではありません。
医薬品副作用被害救済制度の適用外
女性がバイアグラを飲むことは、医薬品副作用被害救済制度の適用外です。医薬品副作用被害救済制度は、本来の使用目的や使用方法での服用が対象とされています。
女性がバイアグラを飲むことは適切な使用ではないため、万が一重篤な症状になったとしても、一切の補償が受けられません。
よって、女性はバイアグラを飲むべきではありません。
女性用のバイアグラ
インターネット通販などの個人輸入代行サイトでは、女性用バイアグラと称する薬が販売されています。
女性用バイアグラとして「Addyi(アディ)」や「Vyleesi(バイリーシ)」などが知られているものの、いずれも日本では認められていません。
これらに限らず、女性用バイアグラを称するもの一切は、日本国内における安全性や効果、副作用などが不透明のため、いかなる理由でも服用すべきではありません。
まとめ
バイアグラまたはバイアグラジェネリックのシルデナフィルを女性が服用することは控えてください。
理由は、男性よりも重い副作用を発症する可能性があること、そしてそれらの副作用が長時間続く可能性が否定できないためです。
女性がバイアグラを飲むことはリスクしかありません。
面白半分、興味本位、さらには性的興奮を高めたいといった理由で服用するようなことは危険ですのでやめましょう。
MSクリニックでは、ED治療薬としてバイアグラをはじめ、レビトラ、シアリスを院内処方しております。
全て信頼のメーカー正規品です。人気の国産ジェネリック医薬品もご用意しております。
専門医が丁寧に問診・診察・説明を行い、来院から10分程度でその場でお渡しいたしますので、お気軽にご相談ください。
この記事の監修医師
総院長、医学博士 葉山芳貴
経歴
- 平成14年
- 聖マリアンナ医科大学 卒業
- 平成20年
- 大阪医科大学 大学院 卒業
- 平成22年
- 大手美容形成外科 院長 就任
- 平成27年
- メンズサポートクリニック開設
- 平成28年
- メンズサポートクリニック新宿 院長就任
- 平成28年
- 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)