ED(勃起不全・勃起障害)でお悩みの方は「EDはほっとくとどうなる?」「どうしたらEDは治る?」と考えたことがあるでしょう。
EDでお悩みの方は、まずEDの原因と症状を理解し、改善していくことが大切です。
この記事では、EDの原因や症状、改善法について医師が解説します。
この記事の目次
ED(勃起不全・勃起障害)とは?
ED(勃起不全・勃起障害)とは、性行為する際に十分な勃起状態にならない、または勃起状態が持続しないことです。英語のErectile Dysfunctionの頭文字をとってEDと呼ばれます。
日本語では「勃起不全」や「勃起障害」とも呼ばれますが、ひとくくりに「ED(勃起不全・勃起障害)」と認識されています。
EDは勃起しないことだけが対象ではありません。硬さが不十分、たまに勃起しない、性行為中に柔らかくなるといったケースもEDに該当します。
ED(勃起不全・勃起障害)の症状
- いっさい勃起しない
- たまに勃起しない
- 硬さが不十分
- 勃起するが満足な性行為が行えるほど勃起状態が持続しない
- 勃起するかどうか不安になる
- 勃起力に自信がない
ED(勃起不全・勃起障害)の種類

器質性ED
器質性EDとは、身体に何かしらの原因があり、物理的に勃起が阻害されるタイプです。
具体的には、加齢や糖尿病、高血圧、高脂血症、脳出血といった症状に起因する動脈硬化によって、神経や血管が損傷を受ける「血管障害」によるものがあります。
また、脳から陰茎までの伝達神経が損傷することで生じる「神経障害」、加齢やストレス、喫煙や飲酒によってテストステロンの分泌が低下する「内部分泌機能低下」なども含まれます。
心因性ED
心因性EDとは、精神的または心理的ストレスが要因のEDです。
主に、仕事のストレスをはじめ、夫婦やパートナーとの関係がうまくいかないことで感じる精神的な負担などが要因とされています。
また、性行為がうまくいかなかったことによる不安やトラウマといった心理的な要因も含まれます。
混合型ED
混合型EDとは、器質性EDと心因性EDが混ざり合った状態です。ごく簡単に言えば「病的疾患」と「精神的ストレス」のふたつが原因で起きるEDとなります。
例えば、身体の物理的な障害によって勃起が阻害される他に、日常的なストレスや性行為に対するトラウマといった精神的な要因が重なった状態が該当します。
混合型EDは、原因を特定しにくいことが特徴で、器質性EDから心因性EDを合併するケースも多く見られます。
薬剤性ED
薬剤性EDとは、服用している薬剤の副作用が原因で生じるEDのことです。
具体的には、精神安定剤や抗うつ薬、睡眠剤、向精神薬などがあります。また、胃潰瘍の治療薬や降圧剤などを長期で服用している場合などでも起こり、薬の服用によって無意識にEDになっているかもしれません。
薬剤性EDを知らない場合、EDの症状を「加齢のせいだ」とか「うつ病の症状だ」と思い込んで薬を服用し続けてしまい、結果的にEDが改善しないこともあります。
ED(勃起不全・勃起障害)の原因
ED(勃起不全・勃起障害)は主に以下3つの原因に分けられます。
加齢
ED(勃起不全・勃起障害)の1つ目の原因が加齢です。
人間は加齢と共に血管も老化します。血管の弾力性が低下する動脈硬化が起こると、陰茎へ通じる動脈が部分的に塞がれて血流が滞ってしまい、ペニスにある陰茎海綿体に血液が流れなくなります。
この結果、十分な血液が流れなくなって、十分な勃起が得られなくなるのです。
生活習慣病
ED(勃起不全・勃起障害)の2つ目の原因は生活習慣病です。
生活習慣病とは、食習慣、運動習慣、喫煙、飲酒といった生活習慣が関与する疾患群のことで、具体的には、糖尿病や高血圧、高脂血症などが該当します。
生活習慣病のなかでもとりわけ糖尿病や高血圧などは血管に負担がかかるため、動脈硬化を発症または進行させてしまいます。
この結果、血流が阻害されてEDを引き起こすのです。また、喫煙や飲酒をはじめ、バランスが悪い食生活、運動不足、休養不足などの生活習慣もEDの遠因とされています。
精神疾患
ED(勃起不全・勃起障害)の3つ目の原因は精神疾患です。
EDの原因となる精神疾患は幅広く、例えば、仕事やパートナー間で生じる日々のストレスなどが挙げられます。
また、子供を作ろうとする夫婦間においては排卵日がプレッシャーになり、精神的な重圧を感じることでEDになるケースもあります。
他にも、性交がうまくいかなかった過去の体験がトラウマになってしまい、EDを悪化させることもあります。
ED(勃起不全・勃起障害)を改善する方法
ED(勃起不全・勃起障害)を改善する方法を解説します。
ストレス発散
ED(勃起不全・勃起障害)を改善するためにはストレス発散を心がけましょう。
仕事や対人関係によるストレスは、気がつかない間に心因性EDを招いている可能性があるため、ストレスをため込まないことが大切です。
ストレス発散には運動が効果的で、飲酒や喫煙によるストレス発散は控えましょう。
禁煙
ED(勃起不全・勃起障害)を改善するためには禁煙に努めましょう。
タバコに含まれるニコチンなどの化学物質は血管の細胞を傷つけます。傷ついた血管にコレステロールが蓄積し、そこに血小板が取りつくことで血管が狭くなります。これが動脈硬化です。
つまり、喫煙は動脈硬化を引き起こす、あるいは進行させるため、EDを改善するには禁煙することが効果的なのです。
食生活の改善
ED(勃起不全・勃起障害)の改善には食生活の見直しも必要です。
なかでも、炭水化物・コレステロール・脂質の過剰摂取に注意しなければいけません。これらを過剰に摂取するとコレステロール値が高くなり、動脈硬化を進めてしまいます。
コレステロール値を正常に保つためにも5大栄養素(タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル)のバランスを意識した食生活を心がけましょう。
ED治療薬の服用
ED(勃起不全・勃起障害)の改善にはED治療薬も有効です。
具体的には、厚生労働省から製造販売承認を得ている3種類である、シルデナフィル(バイアグラジェネリック)、バルデナフィル(レビトラジェネリック)、タダラフィル(シアリスジェネリック)がED治療薬(国内3剤)として知られています。
これらは個人差があるものの、有効率は80%以上とされており、EDの改善に大きな効果が期待できます。
ED(勃起不全・勃起障害)を改善するために注意すること
ED(勃起不全・勃起障害)の改善にあたり、注意すべきことを解説します。
インターネット上にある誤った知識や治療法
インターネット上には、ED(勃起不全・勃起障害)の治し方として様々な情報が紹介されていますが、その真贋に注意しなければいけません。
例えば「バイアグラは心臓に悪い」や「自慰行為を禁止した方が良い」など、医学的な根拠に乏しいデマなどがあります。
偽造品の治療薬やサプリメント
ED(勃起不全・勃起障害)の改善に効果があるとして販売されている海外製のED治療薬やサプリメントに注意しましょう。
これらは偽造品や模造品の可能性があり、ED治療の効果がなかったり、安全性が認められていなかったりします。
厚生労働省は過去の調査結果として、インターネットで入手したED治療薬の55.4%が偽造品だったことを紹介しています。
まとめ
ED(勃起不全・勃起障害)でお悩みの方は、まずはEDの原因と症状を理解することが大切です。
そして、ストレス発散や運動を通して生活習慣病の予防にも取り組みましょう。
また、インターネット上の誤情報などを鵜吞みにせず、医師の診断を受けるようにしてください。
MSクリニックではED処方薬についてオンラインでも診療を行っております。
スマートフォン・PC・タブレットで「予約」「問診」「診察」「処方」「決済(お支払い)」までオンライン上で行うことができますので、遠方の方や人の目が気になるという方にも安心してご相談いただけます。
この記事の監修医師

葉山芳貴
経歴
平成14年 聖マリアンナ医科大学 卒業
平成20年 大阪医科大学 大学院 卒業
平成22年 大手美容形成外科 院長 就任
平成27年 メンズサポートクリニック開設
平成28年 メンズサポートクリニック新宿 院長就任
平成28年 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)