「早漏はトレーニングで改善できるの?」や「早漏トレーニングはどんな方法がある?」といった疑問を持ったことがある男性は多いのではないでしょうか。
また「早漏の原因が分からないから対処できない」や「早漏の原因に合った早漏改善法を知りたい」という人もいるでしょう。
そこでこの記事では、数多くの早漏治療を手がけてきた医師が「早漏のトレーニング」について、原因別のおすすめトレーニングや治療法を、早漏で悩んでいる男性に向けて分かりやすく解説します。
この記事の目次
早漏トレーニングで大切なこと
早漏トレーニングは、早漏の症状を改善することを目的にし、射精をコントロールできるようにするための一連のトレーニング法のことで、具体的にはマスターベーション時の射精コントロールや、骨盤低筋の筋力トレーニングなどがあります。
早漏を改善するには早漏トレーニングを積み重ねれば良いという訳ではありません。早漏の原因が包茎であったり、不適切なマスターベーションだったりする場合は、これらの原因を取り除くことの方が重要です。
従って、早漏を改善したい場合は、早漏トレーニングに取り組むだけでなく、早漏の原因を把握したうえで、早漏の原因に合わせたトレーニングや治療に取り組むことが大切です。
早漏の定義と目安
早漏の確定的な医療定義はありませんが、近年では2008年に国際性機能学会(ISSM)が発表した、以下3つの要素から成る早漏の定義が、概ね一致した見解として医療の場においても用いられています。
- いつも(ほとんどいつも)挿入前、挿入時、挿入後において1分以内に射精する
- 膣内射精のタイミングを制御できない、もしくはほとんどできない
- セックスで射精が早いことに悩んだり、苦痛を感じたり、セックスが負担に思える
この他に「パートナーの性的満足度」や「本人の悩みの深刻度」といったことなども目安になります。
早漏の原因
早漏トレーニングは、早漏の原因に合わせて取り組むことが大切であるため、早漏の原因をしっかり理解しておきましょう。
早漏の原因は、大きく2つ「原発性早漏(先天性早漏)」と「続発性早漏(後天性早漏)」に区分され、さらに以下3つに分類されます。
- 過敏性早漏(原発性または続発性)
- 衰弱性早漏(続発性)
- 心因性早漏(続発性)
上記3つの原因についてそれぞれ解説します。
過敏性早漏
過敏性早漏とは、亀頭が刺激に対して過敏に反応することで射精する症状です。
性的な刺激を受けた際、視床下部が射精をコントロールできなくなって短時間で射精してしまいます。
また、先天性の異常により、射精を抑える働きがあるセロトニンとセロトニン受容体が十分に機能しないと、性的な刺激に対して射精をコントロールできず、結果的に早漏になるとされています。
性的な経験が増えても早漏が改善されない場合は、先天性の過敏性早漏が疑われるため、早漏トレーニングよりも、ダポキセチンが有効成分に含まれる「薬物療法」が推奨されます。
また、過敏性早漏は亀頭が刺激に慣れていない若年層をはじめ、意図的に短時間で射精するマスターベーション(時短オナニー)といった不適切なマスターベーションを習慣化している男性などに多く見られます。
衰弱性早漏
衰弱性早漏とは、加齢に伴って射精をコントロールするPC筋(骨盤低筋)とBC筋(球海綿体筋)の筋力が弱まることで射精しやすくなる症状で、続発性早漏に該当します。
一般的に、年配者や射精をコントロールする際に使用する射精管閉鎖筋肉の筋力が低い男性に多く見られます。
PC筋やBC筋を鍛えるための早漏トレーニングや、ED治療薬による取り組みがおすすめです。
心因性早漏
心因性早漏とは、心理的なストレスによって体が緊張状態になり、短時間で射精してしまう症状のことで、続発性早漏に該当します。
心理的なストレスは様々ですが、早漏の自覚症状、過去の早漏体験、パートナーに責められる重圧などがあり、トレーニングでは改善されないこともあり、心理カウンセリングやダポキセチンなどの薬物療法も含めた取り組みが必要になるかもしれません。
早漏トレーニングの種類
早漏トレーニングには、主に以下のような方法があります。
- セマンズ法
- スクイーズ法
- 肛門締めトレーニング
- ケーゲル体操
上記の早漏トレーニングが効果的とされる早漏の原因も含めて解説します。
セマンズ法
早漏トレーニングの代表的なものが「セマンズ法」です。セマンズ法は射精しそうになった時点で刺激を中止し、射精しそうな状態が収まったら、再び刺激を与えることを3回から4回程度繰り返す方法です。
セマンズ法は過敏性早漏が原因とされる人に向いています。マスターベーションで実践しやすいだけでなく、パートナーに協力してもらうことで、より高い早漏改善効果が見込めます。
スクイーズ法
「スクイーズ法」も早漏トレーニングによく用いられる方法です。スクイーズ法は、セマンズ法と同じやり方ですが、射精しそうになった時点で「指で亀頭を圧迫する」ことで射精を遠ざける点が異なります。
このトレーニングは過敏性早漏が原因の人に適しています。セマンズ法は深呼吸などで射精を我慢するのに対し、スクイーズ法は指を使って射精を抑制するイメージです。
肛門締めトレーニング
早漏トレーニングには「肛門締めトレーニング」もあります。このトレーニングは射精時に使うPC筋(骨盤低筋)やBC筋(球海綿体筋)を鍛えることを目的としており、衰弱性早漏や過敏性早漏が原因の人に向いています。
直立した状態で肛門を締めては緩めるといった動作を繰り返します。まずは、1日あたり合計100回を目標に取り組んでみましょう。
ケーゲル体操
「ケーゲル体操」も衰弱性早漏や過敏性早漏が原因の人に向いているトレーニングです。ケーゲル体操は、球体海面筋、肛門挙筋、外肛門括約筋といった「骨盤底筋群」を意識的に使うことを目的にしています。
男性のケーゲル体操は、10回を目安に、直立した状態で睾丸と肛門の間を意識して、大きく息を吸いながら締めた後、ゆっくり息を吐きながら緩めます。
ポイントは、排尿や放屁を止める際に使う骨盤底筋群の動きを感じることです。
早漏トレーニングと合わせて取り組みたいこと
早漏トレーニングと合わせて取り組みたいことを解説します。
適切なマスターベーション
「適切なマスターベーション」を心がけましょう。おすすめしない行為として、ペニスを強く握り締める、ペニスを床などに擦り付ける、時短オナニー、性的刺激が過激な動画等の利用、これらはセックスで受ける刺激と大きく乖離しやすく、過敏性早漏を招く恐れがあります。
トレーニングツールを用いた早漏改善トレーニング
大手アダルトグッズメーカーのTENGAから早漏トレーニングに特化したトレーニングツールが販売されています。このトレーニングツールでは、上述の「セマンズ法」と「肛門締めトレーニング」を組み合わせたようなトレーニングを行うことができます。
添付の写真のトレーニングツールを用いたトレーニングプログラムの場合、週に2回×5週間のトレーニングが必要ですが、数週間で効果が実感できることもあります。
パートナーに打ち明ける
「パートナーに打ち明ける」ことは早漏改善に繋がる可能性があります。早漏は体が過度に緊張状態になると起こりやすいため、可能な限りリラックスできる環境作りが大切です。
パートナーに早漏を打ち明けることで心理的な負担が和らぎ、心因性早漏が改善されるかもしれません。
性行為中の工夫
「性行為中の工夫」にも取り組むことをおすすめします。射精しそうな時は他のことを考えて射精に集中し過ぎない、厚手のコンドームを着用する、さらには射精しやすいとされる正常位や後背位などの体位を極力減らすといった工夫が有効でしょう。
早漏を改善するおすすめの治療法
早漏を改善するための治療法を紹介します。
内服薬プリリジー
早漏の治療には内服薬の「プリリジー」がおすすめです。世界初の早漏治療薬で、対策が難しいとされる心因性早漏にも有効とされています。
性行為30分前までを目安に服用することで、射精までの時間が3倍から4倍に延びる効果が期待できます。
「プリリジー」の有効成分「ダポキセチン」の有効性や安全性については、6,000人の男性を対象とした研究結果として実証されています。
薬剤注入法
「薬剤注入法」は亀頭にヒアルロン酸を注入する方法です。短時間で手軽な治療ながら、亀頭増大と早漏改善のふたつの効果が見込めます。
包茎手術
「包茎手術」は包茎性早漏や過敏性早漏の改善に最も有効です。包茎と早漏の改善以外にも、性病予防や見た目の印象が良くなることから、男性としての自信が付く心理的な効果も期待できます。
包皮小帯切除法
「包皮小帯切除法」は俗に言う「裏スジ」を切除する方法です。裏スジと呼ばれる小帯は、性行為時に刺激を受けやすいため、この部分を切除することで耐刺激性が増すようになります。
亀頭冠焼灼法
「亀頭冠焼灼法」は亀頭冠にある真珠様丘疹と呼ばれるブツブツを取り除く方法です。真珠様丘疹が刺激されることで射精しやすくなっている場合は、この方法が適しています。
まとめ
早漏トレーニングには、マスターベーションで出来ること以外に、簡単な筋トレのような方法があります。
早漏で悩んでいる男性は、早漏の原因を理解したうえで早漏トレーニングに取り組みましょう。
また、なかなか改善されない場合や、原因の特定が難しい心因性早漏の疑いがある場合は、医師に相談のうえ、内服薬プリリジーなどを試してみることをおすすめします。
MSクリニックでは、包茎手術・長茎術・亀頭増大術・早漏治療などから、AGA薄毛治療など、男性美容まで男性のお悩みを全て解消するメンズクリニックです。
症例豊富な医師をはじめ、看護師も全員が男性ですので、どうぞお気軽にご相談、ご来院ください。
この記事の監修医師
葉山芳貴
経歴
平成14年 聖マリアンナ医科大学 卒業
平成20年 大阪医科大学 大学院 卒業
平成22年 大手美容形成外科 院長 就任
平成27年 メンズサポートクリニック開設
平成28年 メンズサポートクリニック新宿 院長就任
平成28年 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)