当院の手術は「美容形成」の技術を採用しています。
どの様な手術でも、手術痕は残ります。
美容形成の技術は手術痕をいかに目立たなくするかを目標に進化してきました。
例えば、顎を骨折した時に、骨折しているところの真上を切開すれば、プレートやワイヤーで骨を固定する難易度はそれほど高くありませんが、手術痕が顔に残ってしまいます。口の中を切開すれば、手術痕は口の中にできるので、目立たない反面、手術の難易度は高くなります。
どちらの手術方法でも骨折は治りますが、手術痕は大きく変わります。この様に手術痕をできるだけ目立たせない様にするのが、「美容形成」の考え方や技術です。
その主なポイントは以下の通りです。
- デザイン(切開のライン取り)
- 切開技術
- 縫合技術
- 器具・道具の選定
- 抜糸後の取り扱い
この記事の目次
包茎手術のデザイン
包茎手術は包皮の長さを調整するのが目的の手術で、教科書的な術式(保険診療で行われる術式)では、被せた時に包皮の口になる部分(包皮口)を中心に余剰包皮を除去します。
包皮口の部分は直径が細くなっており、この細い部分を残すと腫れたり、変形を残したりするので、細い部分を残さず包皮の長さを調整します。
小帯を切ってしまうと、小帯の立体的な構造を再建する難易度が非常に高いため、亀頭側の切開は包皮小帯から十分に離れた位置で行い、包皮小帯を温存します。
その結果、縫い目が竿の先端から1/3から中央付近に出来るため、皮膚の色調がツートンになってしまうのです。
ツートンを回避するために同じ色の皮膚同士を縫い合わせるようにデザインしようとすると、切開する位置が亀頭に近づくほど、皮膚は薄い色調に変化していくため、同じ色の皮膚同志を縫い合わせるのは困難となります。
逆に根本に近い部分の余剰皮膚を切除する根部切除では同じ色の皮膚同士を縫い合わせることが可能な事例もありますが、根部切除の対象となる患者さんは限られます。
では、根部切除の対象とならない包茎患者さんはツートン不可避かと言うと、そうではなく、色の境界となる皮膚の繋ぎ目を目立たない位置に持ってくる亀頭直下法の対象となります。
亀頭直下法は、亀頭に近い部分の色調の薄い皮膚の面積をできるだけ小さくすることで、色の薄い皮膚が亀頭に下に隠れて目立ちにくくする方法の総称で、当院ではさらに亀頭側の皮膚の切除ラインを皺に沿わせることで、術後の非勃起時に皮膚のつなぎ目が皺に隠れて目立たない様なデザインを採用しています。
勃起時には皮膚の繋ぎ目はシワから出てきて見える状態にはなりますが、亀頭の張り出しによって色の差はさほど目立たず、また、手術痕は月日が経過すると馴染んでゆき、他のシワに紛れて目立たなくなっていきます。
このように亀頭直下法は手術痕が残りにくい術式ですが、切開するラインが亀頭近くに来るため、包皮小帯を切断してしまいます。
そこで、当院では包皮小帯を温存するために前述の通り「Vカット」を採用しています。
「Vカット」には小帯の立体的な構造を保持するという機能以外に、形成外科で言うところの三角弁の機能を持たせています。
三角弁の機能というのは、皮膚の繋ぎ目にかかる力を逃す作用と、狭窄(細くなっている部分)を広げる作用、縫い合わせる面の長さを稼ぐ作用があります。
特に力を逃す作用が手術痕を目立たなくするには重要で、シワに沿ったラインだと、勃起時に皮膚のつなぎ目に対して真正面に力がかかります。その結果、その力に対抗するために手術痕が固く盛り上がったり、手術痕の幅が広がったりするのです。
三角弁を作成することでその部分にかかる力は斜めにかかるようになって、力が分散し、手術痕が目立ちにくくなります。
この様に当院では、いろいろ手術方法がある中でも、手術痕がより目立ちにくい方法を採用しています。
切開技術
当然、デザイン通り正確に皮膚を切開する技術はもちろんですが、切開した皮膚の断端を痛めないように、素早く慎重な操作が求められます。
これは、皮膚の断端が痛むと皮膚がくっつきにくかったり、皮膚を縫った後で皮膚のつなぎ目が硬く膨らんだりすることがあるからです。
皮膚のつなぎ目が傷まないように素早く切って、新鮮な断面同士を正確に繋ぐ事が必要です。
また、皮膚に対して垂直にメス刃をあてるのが基本ですが、切開する部位や皮膚の厚み、その皮膚にかかる力加減等を考慮して、メス刃に角度をつけることもあります。
ここでは、電気メスは必要最低限にとどめて、皮膚に熱ダメージを与えないことが肝要です。
特に、亀頭直下は毛細血管が多く出血しやすいため止血操作が必要となりますが、止血操作による熱ダメージも手術の仕上がりに影響するため、正確で素早い止血操作が必要となります。
縫合技術や器具・資材の選定
皮膚を縫い合わせる時は必要以上にピンセットで引っ張ったりせずに、優しく素早く縫わなければなりません。
糸痕(+++++++や÷÷÷÷÷÷のような痕)を残さないようにする(皮膚のつなぎ目が、———になるようにする)には、糸痕が残りにくい素材の糸(ナイロン)を使う以外に、皮膚の外側にある糸ができるだけ少なくなるように細かく縫い、強い力で結ばない等の技術が必要です。
また、長期間糸がついていると糸痕が残りやすいので、できるだけ早く糸を抜く事も必要になってきます。
抜糸後の取り扱い
抜糸の直後は皮膚のつなぎ目は細い線になっていても、経過とともに線幅が広がることがある場合は、トラニラストの内服やテーピングをおこないます。
このような知識や技術を総合して「美容形成」は成り立っています。
まとめ
MSクリニックでは、ED治療、包茎手術・早漏治療・長茎術・亀頭増大術などから、AGA薄毛治療など、男性美容まで男性のお悩みに向き合うメンズクリニックです。
症例豊富な医師をはじめ、看護師も全員が男性ですので、どうぞお気軽にご相談、ご来院ください。
この記事の監修医師
葉山芳貴
経歴
平成14年 聖マリアンナ医科大学 卒業
平成20年 大阪医科大学 大学院 卒業
平成22年 大手美容形成外科 院長 就任
平成27年 メンズサポートクリニック開設
平成28年 メンズサポートクリニック新宿 院長就任
平成28年 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)