「外出しなら妊娠しない」や「外出しで妊娠する確率はどれくらいだろう?」といったことを考えたことがある人は多いと思います。
なかには、外出しを避妊方法として認識している人もいるかもしれません。セックスの際に外出しで妊娠を回避しているというカップルは意外に多く、このような考えが、望まない妊娠を招いていることは否定できません。
そこでこの記事では、男性専用クリニックの医師が「外出しで妊娠する確率」をはじめ、失敗事例、そして外出しの注意点などについて、分かりやすく解説します。
この記事の目次
外出しで妊娠する確率
外出し(膣外射精)で妊娠する確率は22%とされています。これをセックスの回数に当てはめると「5回に1回」の割合で妊娠する確率です。
広く知られている避妊法であるコンドームを理想的な方法で使用した場合の妊娠率は、2%とされているため、外出しで妊娠する確率は高いと言えます。
また、高い確率で避妊できると考えられている低用量ピルを理想的な方法で使用した場合の妊娠率は、0.3%(一般的な使用法では9%)であることから、外出しはいかに妊娠する確率が高いかということが分かります。
そもそも、外出し(膣外射精)は避妊法ではありません。男女ともに、膣内で射精しなければ妊娠しないだろうという誤った知識が定着しており、外出しは避妊法と考えている人が多いのが実情です。
これを裏付けるように、妊娠中絶手術を受けた10代の女性の24.4%が、避妊法として外出しを選択していたことが分かっており、知識が不足しがちな若年層ほど、外出しすれば妊娠しないと考えている傾向が見て取れます。
外出しは5回に1回は妊娠する確率が指摘されていること、そして、そもそも避妊方法のひとつではないということを覚えておきましょう。
避妊法別の妊娠確率
外出しで妊娠する確率以外にも、一般的な避妊方法による妊娠する確率についても合わせて理解しておきましょう。
外出し(膣外射精)
外出し(膣外射精)は、22%の確率で妊娠するとされています。その他の避妊方法と比較して、妊娠する確率が高く、避妊方法としては適していません。
コンドーム
コンドームを一般的な方法で使用した場合、妊娠する確率は18%と言われています。理想的な正しい使用法であれば、2%まで抑えられるとされており、絶対に妊娠しないとは言えないものの、外出しよりも遥かに高い避妊効果があると言えます。
殺精子剤
殺精子剤を使用した場合の妊娠率は15%とされています。殺精子剤は、性交前にクリームやゼリーなどを膣内に塗布することで、これに接触した精子を無効化する方法です。手軽さに長けている一方で、効果が20分程度に限定されるため、避妊に失敗するケースが多いと言われています。
ピル(経口避妊薬)
ピル(経口避妊薬)を服用した場合の妊娠率は9%とされています。ピル(経口避妊薬)は女性の意思で対策できる効果が高い避妊法として知られていますが、入手に手間がかかることをはじめ、副作用による抵抗感や飲み忘れなどが起こりやすいでしょう。
子宮内避妊用具(IUD)
子宮内避妊用具(IUD)を使用した場合の妊娠率は5%と言われています。避妊効果が高いことや、一度装着すると2年近く使える点などに優れていますが、婦人科で装着してもらう必要があることや、不正出血や感染症の原因になることもあり、体への負担が否めません。
アフターピル
アフターピルを服用した場合の妊娠率は2%と言われています。セックスで避妊に失敗した場合であっても、すぐに服用することで高い確率で妊娠を防げますが、時間の経過とともに妊娠率が上がること、副作用がある、そして高価というデメリットがあります。
外出しでも妊娠する確率がある理由
外出しでも妊娠する確率がある理由は以下の通りです。
- 我慢汁(カウパー腺液)にも精子が含まれているため
- 射精のタイミングがズレる
- 膣付近の精子が膣内に入り込む
それぞれの理由について解説します。
我慢汁(カウパー腺液)にも精子が含まれているため
外出しでも妊娠する理由のひとつが「我慢汁(カウパー腺液)にも精子が含まれているため」です。
射精する時だけ膣から抜けばよいと考えがちですが、俗に言う「我慢汁」にも精子は含まれているため妊娠する確率は十分にあります。
射精のタイミングがズレる
「射精のタイミングがズレる」ことでも妊娠する確率があります。射精の直前で膣からペニスを抜いたとしても、自覚できないタイミングでわずかに射精してしまっているかもしれません。
射精のタイミングは、コントロールできていそうで実は出来ていないこともあるため、気を付けなければいけません。
膣付近の精子が膣内に入り込む
外出しでも妊娠する理由には「膣付近の精子が膣内に入り込む」ことも挙げられます。例えば、射精のタイミングで膣周辺に精液が付着した場合や、太もも周辺に精液が付いていることで、知らぬ間に精液が膣内に入り込んでしまうかもしれません。
外出しで妊娠してしまった失敗事例
外出しで妊娠してしまった失敗事例には以下のようなパターンがありますので参考にしてください。
誤った知識のまま性交していた
外出しで妊娠してしまったカップルでは「誤った知識のまま性交していた」ということが多いようです。
そもそも、外出しを避妊手段として考えていたことや、膣内で射精しない限り妊娠しないといった誤った知識がきっかけになっています。
射精をうまくコントロールできなかった
「射精をうまくコントロールできなかった」ケースもあります。射精の直前でペニスを抜けなかったり、射精を我慢できなかったりということが多いようです。
これまで妊娠しなかったから大丈夫と思い込んだ
外出しで妊娠してしまったカップルには「これまで妊娠しなかったから大丈夫と思い込んだ」ケースもあります。
外出しで妊娠する確率を理解せず、自分たちの行為を過信してしまったことが原因でしょう。
外出しと妊娠の確率に関するよくある誤解
外出しと妊娠の確率に関するよくある誤解について、正しく理解しておきましょう。
- 外出しは避妊法のひとつ
- 安全日なら妊娠しない
- アフターピルを飲めば妊娠しない
それぞれ解説します。
外出しは避妊法のひとつ
「外出しは避妊法のひとつ」というのは誤解です。外出しは妊娠を避ける方法として適しておらず、妊娠する確率は高いことを覚えておきましょう。
安全日なら妊娠しない
「安全日なら妊娠しない」こともよくある誤解です。一般的には「生理直後」や「生理の数日前」が該当すると言われていますが、個人差があるため、妊娠する確率は十分に存在すると考えてください。
アフターピルを飲めば妊娠しない
「アフターピルを飲めば妊娠しない」ことも誤解です。アフターピルは高い避妊効果があるものの、服用が遅れると効果は低下し、妊娠する確率が上がります。
外出しで避妊することに関するよくある質問と回答
外出しで避妊することに関するよくある質問を紹介します。
外出しで、なおかつアフターピルを飲んだので大丈夫ですか?
いいえ、大丈夫とは言い切れません。医療機関で妊娠検査を受け、妊娠していないことを確認する必要があります。
余裕を持って外で射精しましたが、大丈夫でしょうか?
いいえ。射精のタイミングではなく、膣内に精液が入り込まないことが重要です。
コンドームを付けると射精に至りません
俗に言う「コンドームED」を発症している可能性があります。男性専用クリニック等で、ED治療薬を処方してもらうことをおすすめします。
まとめ
外出しで妊娠する確率は高いため、安易な気持ちで外出しによる避妊に頼ることはやめましょう。
外出しは避妊法ではありません。
望まない妊娠を避けるためにも、この記事で紹介した内容を参考に、適切な避妊法を心がけてください。
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この記事の監修医師
葉山芳貴
経歴
平成14年 聖マリアンナ医科大学 卒業
平成20年 大阪医科大学 大学院 卒業
平成22年 大手美容形成外科 院長 就任
平成27年 メンズサポートクリニック開設
平成28年 メンズサポートクリニック新宿 院長就任
平成28年 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)
鳥羽洋輔
経歴
平成31年 札幌医科大学医学部医学科 卒業
令和3年 美容皮膚科クリニック 勤務
令和4年 MSクリニック 勤務
資格
美容外科医
医師免許(医籍登録番号:559547)